*Shiki*

□第2話
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 しかしナツメは巨大トカゲに炎をぶつけていた。まさかあれが魔法だというのか? 松明を投げつけていたのではないのか?

「あれは“炎”の属性の魔法よ。松明を投げたわけじゃないから」

 信じられない。とにかく魔法なんてものは信じられない。手品とかの“マジック”ではなく、本物の“マジック”だという。そんなもの信じられるわけがない。信じたくもないし、認めたくない。

 一体この世界に何が起きたのか。

「兄貴、こいつ武器も持ってないし魔法も使えないんだって。それなのにこんな所にいるなんて怪しくない?」
「ああ、たしかにちょっと怪しいかも……」

 ――自分からしたら、あんたら兄妹の方が怪しいんですけどね、魔法とか魔物とか言っちゃってさ。頭大丈夫ですか? そう言いたかった。
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