隣々、想ウ人。
ぽかぽかと温かい陽射し。
向こうではカンカンに
照りつける様な太陽ばかり見てきたから、
何だか新鮮で、どこか懐かしくて、
私は空港を出てからすぐに、日本の広い空を見上げた。
暫くその景色に浸ってから、
私はポケットから携帯を取り出し、
彼の名前を探してコールした。
『あ、もしもし?』
『「おかえり。」』
鳴らしてすぐに応えた受話口の声と、
後ろから掛けられた声が重なった。
振り返って刹那、顔が、綻ぶ。
『ただいま、黄泉。』
さすがに7年も経てば大人びていたけれど、
元々童顔だからか、まだあどけなさが幾分残るその面立ちに、
素直に、安心した。
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