短編

□エゴイスティック・ウィッシュ
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緑色の神秘的な空間。





そこに人影が2つ。



響く金属音、舞い散る火花、土を踏みしめ蹴る音。


しばらくはそれらしか聞こえなかった空間に、一つ、声が響いた。



「またお前と出会うとはな」


ガキィンッ


同時に響いた音を境に僅かな静寂が訪れる。


「ホントにな」


先とは別の声がため息を吐くように言った。



ギチギチと鍔迫り合いの音がする。


「しかも何、此処ってアンタとクラウドが戦ったとこなんだろ?嫌だねぇ、輪廻ってヤツ?」
「それを言うなら俺たちも輪廻の一つか?」
「どっちかってぇと腐れ縁だろう、よ!」


声と同時に刀をはじき、再び音が響く。



刃を交えながらも、2人は会話を続けていた。



「それにしても、懐かしいモノを使っているな」
「ああ、バスターソードはもうクラウドのだから。アンタは相変わらずだな」
「コレが一番手に馴染む」
「別の使ってハンデにしてくんない?」
「必要ないだろう」


端から見ればだいぶおかしな光景だった。



片方は微笑したまま、もう片方は表情をコロコロと変えて話しながら。


まるで躍るような、じゃれあいの戦い。






お互いの仲間がこの光景を目にしたら何を言うだろう。







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