短編
□この空はどこまでも高く
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この空はたったひとつだと
いつからか 気づいていたのに
見上げた心の向きで
違うのは何故だろう
この空はどこまでも高く
放課後の屋上で夏の熱い日差しを浴びる。
とは言っても太陽はだいぶ傾いてきたので日射病で倒れたりはしないと思う、多分。
太陽があるということは今日の天気は晴れ。
空はこれでもかってくらい青くて雲一つない。
風も少し生暖かいもののよく吹いている。
普段ならハイテンションになって部活に勤しんでるところだ。
でも今日は違う。
どこまでも高い空が何故か物悲しく映ってしまう。
いつだって空はひとつだけで変わらないはずなのに、なんで気分によって見え方が違うんだろう。
思わずため息が漏れた。
まったくこんな思考に陥ってるなんてオレらしくないのに。
なのにオレの頭の中は一つのことで埋め尽くされていた。
もう一つため息をついて今更サボった部活に出る気力もなくオレは屋上を出て帰ることにした。
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