短編

□SweetDream
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カリカリカリカリ・・・



ブヒブヒブヒブヒ



「「・・・・・・」」



カリカリカリカリ・・・



ブヒブヒブヒブヒ



「「・・・・・・・」」



カリカリ・・・カリ・・・・



ブヒブヒブヒブヒブヒブヒ




「・・・・なぁルーk「ダ・メ・です」
「・・・まだ何も言ってないぞ」
「口より手を動かさないと終わりませんよ?」
「・・・・」


グランコクマの王宮のとある一室、金髪の男は大仰にため息を零した。
男が筆を走らせ始めてから、かれこれ何度目のやりとりだろうか。
ため息で幸せが逃げるならばだいぶ逃げてしまっている。



そんな男を見つめるのは、彼がいつも愛でている愛獣のうち1匹を膝に乗せた青年。
朱の髪の彼はとても困った顔をしている。



「陛下が悪いんですよ?仕事しないで脱走ばっかしてるから」
「しかしなんでお前が監視役なんだ!?」
「文句はジェイドに言ってください・・・」
「・・・・あの鬼畜眼鏡め」



男の頭にイヤミな笑顔の幼なじみが浮かんだ。
彼が青年の言葉を無視できないのを知っての事だろう。



「ルーク〜」
「ダメですってば。俺だってジェイドに怒られるのは嫌です」


情けない声を出す男に青年は申し訳ないと思いつつそう返した。



あの眼鏡の男に逆らっていいことなど一つもない。
男もわかっているからかゆっくりと止めていた筆を動かし始めた。


また筆を走らせる音と獣の鳴き声だけが部屋で響く。





***


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