僕等はここにいる

□『(それが俺の一番の望みだ、ねぇ)』
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「うぜぇんだよ」




俯いて黙っていた朱が突然低い声で言った。


「・・・ルー、ク?」


全員が戸惑う中、最初に口を開いたのはガイだった。

しかし、朱はそんな声を無視して言葉を紡ぐ。


「気遣う振りして結局被験者とレプリカで線引きして差別して、視線だけで圧力かけやがって。うぜぇったらありゃしねぇ」

朱の変貌ぶりに一同呆然としていた。

そんな中次に口を開いたティアが尋ねる。

「ルーク、あなた何を言ってるの?」
「お前等にとって『ルーク』って何?」

質問を質問で返す。
息がつまりそうな空間で、朱だけが苦もない様子で饒舌に話し続ける。

「人間である被験者?人形のように従順なレプリカか?なんにせよ、自分達の都合のいいように動いてくれんのがお好みらしいな」
「な、何をおっしゃいますのルーク?!私達はそんなつもりは・・・!」
「お前の言うことは信用できねぇ」

嘲るような口調に思わず憤慨した様子のナタリアに朱はピシャリと言い放った。
そして冷たい目を彼女に向ける。
思わず震え上がりそうなくらい底冷えする瞳だった。

「7年間、『約束を覚えているルーク』を強要して、被験者が現れたら目の色変えて・・・。真っ先に捨てたのはお前だろう?」

ナタリアの表情が一気に青ざめた。
体は小刻みに震えている。

朱は視線を『仲間』に移した。

「何も知らないのを馬鹿にして、罪も何もかもなすりつけて捨てて、今度は拾ってやったからと上から物を言っていたのはお前等だろう」

『仲間』がはっとする。

そうして今度は全員に。

「預言だからと適当に育てて殺すために生かしといて、罪悪感を利用しているのはお前等だ!」

少しずつ怒りを含んでいく声に、誰も何も言えない。

「そしてお前等はまた『ルーク』を殺すんだよ!!」

ダンッと壁を強く叩く音に数名がびくりとした。

それから僅かな静寂が訪れる。

それを作ったのが朱なら破ったのも彼だった。





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