僕等はここにいる

□『(それが俺の一番の望みだ、ねぇ)』
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自嘲気味な笑顔で彼は言う。

「まぁ俺だって人のことそんな言えねぇけどな。勝手に創って全部押しつけてるんだし。殺すつもりはさらさらねぇが」
「・・・・どういう意味?」

アニスが恐る恐る問いかけた。
どこか他人行儀なのは頭のどこかで悟っているからだろう。


彼が自分達の知る『ルーク』ではないことを。


それはこの場の全員にも言えることだった。

しかしそんな中『仲間』や何人かの者は目の前の朱の態度に懐かしさを感じ戸惑っていた。


疑問を投げかけたのはジェイドだった。



「あなたは・・・、誰なんですか?」



それを聞いて楽しそうに唇を歪めた朱は一度瞼を閉じる。

「・・・・・・俺の名は“アーク”」

それからまたゆっくりと開かれ、露わになった瞳には軽蔑と畏怖、憐れみと怒りを秘めて。









「お前等がアクゼリュスで捨てた、ルークレプリカだよ」









全員がその意味を理解し、目を見開いた。
キムラスカ勢や『仲間』の中には青ざめた者もいる。

インゴベルトは震えながら頭を抱え、ピオニーは顔をしかめていた。


その様子を見て満足そうに笑うアーク。

「つうか不思議には思わなかったのか?ずっと反抗的だったヤツがいくら罪悪感があってもコロリと真逆に変わるなんて、ってな」
「っ、じゃあ、今のルークは」
「俺が創ったのさ。まだギリギリ残ってた他人への思いでできた別人格。それが“ルーク”」

アークが淡々と説明をする。

「同じベースの性格で記憶も共有してるとはいえ、少しも気づかねぇんだもんなぁ。そんだけお前等は俺を見てなかったわけだ。まぁこれはルークに対しても言えたことだけど」
「どういうこと、ですの?」

再起不能になりかけているナタリアの搾り出すような声にアークは呆れと嘲りを含ませて返す。

「お前等、ルークが悪夢でうなされてんの気づかなかっただろ?同室でもさ。そのたびに俺はルークを深く眠らせてミュウと喋ってたりしてたんだが。なぁ、ミュウ?」
「はいですの!お話たくさんしたですの!」

『仲間』が目を見張った。







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