僕等はここにいる

□『てめぇ何してやがる!!』
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この紫色の空は、ちゃんと青くなるだろうか。

今のままでも割と綺麗だと思うあたり俺の頭も相当ヤバい。
さすがにこれはルークも賛同しないだろう。




さて、準備は整ったし。


「アークさん」


突然肩にいたミュウが話しかけてきた。

道中はよく2人(?)で話して終始笑っていたが、今は暗い表情をしている。


「どうした?」
「・・・もうお別れですの?」


驚いた。

まさかコイツに気づかれるとは。
いや、コイツ元々こうだったかもしれない。

獣の勘か?


「・・・そうだ。ルークは残る、俺は」
「嫌ですの!」


ミュウが珍しく俺の言葉を遮って反論した。

その大きな瞳は水の膜を張って揺れている。


「ミュウ」
「アークさんもご主人様も何も悪いことしてないですの!悪いのは他の皆さんですの!アークさんはっ・・・“ご主人様”は消えちゃダメですの!!」


ああ、久しぶりにそう呼ばれたな。
懐かしくて痛くて嬉しい。

それに自嘲気味に(これはもう癖だろう)笑って涙で顔をぐちゃぐちゃにしたミュウを撫でた。


「・・・お前にだけ言っておこう」
「みゅ?」
「俺は死ぬのが怖い」
「当たり前ですの!」


うん、当たり前だよな。
きっとあの陰険眼鏡だって怖いだろうし。


大概の奴は『何もできなくなる』から怖いんだと俺は思う。

だけど俺は違う。


「俺が怖いのは、『誰とも関われなくなること』だ。もちろんあの『仲間』とかじゃなくてお前とかだかんな?まぁそうすっとかなり少ねぇけど」
「僕は嬉しいですの!」


未だに涙目だがミュウはやっと笑顔を見せた。
表情がコロコロ変わる奴だが明るい表情が1番だと思う。






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