僕等はここにいる

□『大好きだよ』
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「俺か?」
「そ、アッシュ」


アッシュが会いに来てくれるようになったこと。


夜にふらっと現れてはたわいない話をして帰っていく。
嬉しいことこの上ないけど、どうやって居場所をつきとめてるんだろう。


「テメェが気づかない程度にチャネリングしてんだよ」
「えっ、アッシュってストーカー?」
「・・・覚悟はいいか」
「冗談冗談!」


前ならきっとスラッと剣が出てきて追いかけられてたろうに。
今は首に腕を回されて軽く絞められるとかじゃれあい程度に止まってる。


まぁそれも結構苦しいんだけど。
しゃれになんねぇから半分マジで引き剥がしにかかるとすぐに開放してくれた。


「ケホッ、もうちょい加減しろって」
「悪かったな」


絶対ぇ悪いと思ってねぇ。
いつものことだけど。


「・・・何拗ねてやがる」
「さぁね」


そっぽを向く俺とため息を吐くアッシュ、いつものこと。



それからアッシュの気配がすぐ傍に来て、顔を正面に向かされて・・・・。


ちゅっ


あ、ちょっといつもと違う、長そう。



アッシュと話してじゃれてキスして、これがいつものことになったのは彼のお陰だ。
だから俺は今も昔と同じように心の中で謝罪と感謝を呟く。



そのうちに離れた唇、余裕綽々なアッシュ。
俺はきっと茹蛸だ。


なんかムカつくのでここで珍しく仕返しを一つ。


「アッシュ」





彼からたくさんのモノをもらったけど、もう返すことはできないから。



だから、彼の分もアナタに捧げるのも悪くないと思うんだ。












『大好きだよ』





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