太陽の名前
□03:見てみたいもの
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彼に出会ったのはコスタの港。
視察で乗った船だった。
視察と言っても形だけのそれはあまりに暇で、何か暇つぶしはないかと思っていたところに現れたのが彼だった。
年の頃は自分より少し下であろう少年は限りなく黒に近い茶髪に自分とは種類の違う青い瞳をしていた。
明らかに暇を持て余している少年をちょうどいいと拝借して(表向きは俺がお目付け役だったが)船内を見て回ることにした。
もっとも予想通り何もなかったが。
そしてこれもまた予想はしていたがテロにあった。
アバランチではなかったが銃を持つ相手に対してこっちは丸腰の子供2人。
この時はツォンの言うとおり他にもう一人つれて歩けばよかったと思った。
・・・まさかこんなところでとタカを括っていたことは認めよう。
だがそのおかげで思いもよらない収穫があった。
彼の足元に浮かんだ魔法陣。
そこから突然現れた鳥。
躊躇いもなくそれに俺を連れて飛び乗った少年。
鳥は敵を一掃ししばらく旋回すると港の広場まで俺たちを運んだ。
ツォンに説教されてる間に消えてしまったが、アレは一体なんだったのか。
召喚獣だろうか、しかしあんな形のモノは見たことがない。
彼はヴァルファーレと呼んでいたがそんな名前も聞いたことがなかった。
それを呼んだ少年は。
彼は一体何者なのか。
調べられるだけ徹底的にタークスに調べさせた。
それでも微々たる物だったが。
残りは本人に聞くために、俺は再びコスタ・デル・ソルに向かった。
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