CP小説

□歪んだ愛
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ひたすら続く拷問に傷ついた身体は、今もズキズキと苦痛を主張し続ける。
拷問を受けては牢屋に戻されるソリッドは苦痛を紛らわし、意識を保つ為にも無線で話をせずにはいられなかった。
脱出の糸口であるオタコンの到着までは暫くかかりそうで、ソリッドは苛立ちを覚えながらも無線で話を続けた。


だが、暫くすれば再び行われるオセロットによる拷問。
断末魔の様な叫びが部屋に響き渡るも、誰も助けてはくれない。



再び牢屋に放り込まれ体力と共に精神力も限界近くまで追い込まれるソリッドはベッドにすがる様に寄り掛かった。
乱れる呼吸を整えつつもベッドのシーツをギュッと握りしめて自分の置かれている立場に愕然とする。



だが、ソリッドの耳に入った音。
ビーッという電子音が響き渡ると監視の兵とオセロットは部屋から出て行った。
ソリッドはガラス越しにその光景を眺めるも、今の彼にとってそれは好機に転がる様な話でも無かった。
鍵は内側からでは開かないのだから誰も居なければ逆に脱出の手口が無いに等しい。

どうしたものかと考えるソリッドは顔をベッドに埋めるも、ただ沸き起こるのは拷問の痛みだけだった。
自身の身体を抱きしめ痛みに耐えるソリッドは自分の滑稽さに小さく笑った。



(固)「ここで終わりか」



そう呟いた。
だが、ソリッドの呼吸音以外はしない無音な部屋に『ゴンッ』という音が響き渡った。

音のする方をみれば、そこにはガラス越しに笑みを浮かべるリキッドの姿があった。


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