CP小説

□戦場での必然
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巻き起こり続ける戦禍。
倒れ、死を待つ兵士。

それを見過ごせる程、俺も堕ちちゃいないさ。





俺が兵を率いて戦場に下り立ったのは1時間前の話だ。
全員が「あの『BIGBOSS』との任務・・・光栄だっ」と、目を輝かせて居たのを鮮明に覚えている。


慕われるのは悪いことじゃない。
寧ろ嬉しく感じていた。



だが、今回潜入した先の施設は罠だった。
俺の判断ミスだった。


敵の数は俺達は4人よりも遥かに多く、およそ5・・・いや、6倍の敵の数だったのだ。
死に物狂いで戦い、いつの間にか仲間とははぐれてしまった。



だが、少し歩くと仲間の一人の亡骸。
その表情は悔しそうだった。
目をそっと閉じてやれば、仲間の兵士は安らかな表情に変わった。

そしてもう一人の亡骸を見つければ、惨たらしく脳天を撃ち抜かれていた。





さっきの仲間の死も・・・今の仲間の死も俺のせいだ。
俺が敵の罠に気づいていればこの2人は死なずに済んだに違いない。



悔しさと罪悪感を背負い、傷ついた身体を引きずりながらも戻る途中、残る1人の仲間の姿が目に入った。



彼もまた、無念の死を迎えたのだろうか。

そう自分に問い掛けていると、兵士は血を吐きながら咳き込んだ。


ぃ、生きている!?


俺はか細い希望にすがる様に兵士に駆け寄った。



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