短編・中編
□仕上げは旦那さん 2
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その日の朝は
思いの外早く訪れた
「吉備さん!吉備さん起きて」
快活な声色
今ではすっかり聞き慣れた愛しい声
されど
起床を促される身体が悲鳴をあげていた
だって絶対おかしいもん
起きなくていいって 全身が叫んでるもん
そう 愛しいあの子は異常なまでに徹底した早起きさん
休日だろうが何だろうが 毎朝4時に起きて毎朝6時までにすべての家事を終えてしまう超ハイスペックワイフ
毎朝4時半ごろになると美味しそうな香りが2階の寝室まで漂ってくるので自然に目が覚めるのだけれど
二日酔いのときはゆっくり寝かせてもらう
といっても
あの子の「ゆっくり」は6時半
常軌を逸した起床感覚だと思う
おそるおそる目を開けると
時計は午前3時半を知らせていた
あぁ やっぱり(泣)