短編・中編
□セブンティーン、四月
2ページ/13ページ
「へべれけせっくす〜!」
「ぐぁ…っ」
ある日のことだった。
夜、意味が不明な発言をするほとにオレの安眠はことごとく破壊される。
もうそりゃ、どーんとね。
…ほとの奴は、手加減というか体重加減というか、そんなもんおかまいなしで思いっきりオレの腹にタックルしてきた。
もちろん、寝てる腹(食後)だ。
死ぬ。
オレはよたよたと体を起こし、ベッドに手をついて腹の上のほとを軽く睨んだ。
顔が赤い。17歳の分際で…酒か?
「ちょっと…ほと40キロはあるんだから、気を付けないとオレ死んじゃうでしょ」
ため息をつきながら、ベッドサイドのテーブルに乗ったカレンダー付きの時計を見やった。
3月31日…22時半か。
まぁ寝るには確かに早いっちゃ早いが、オレも疲れてたからしょうがない。
帰りを待ってやらなかったのは悪かったが、でも。
「ほと…完璧酔ってんじゃん。アルコール許可は出してないはずだけど」
真っ赤な顔をしてオレの腹の上でそのまままどろむほと。
いや、可愛い。けど、外でこんなんやられちゃ心配でこっちの身がもたない。