短編・中編

□セブンティーン、四月
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なんでも、「3月31日で高二じゃなくなる」とかなんとかで、クラスで二日間泊まり掛けで遊んでいたらしい。

オレはというと、ほとがいない間にできるだけ多く仕事を片付けようと、二日間デスクで昼夜境目なく奮闘していたというわけだ。

おかげさまで、時間の感覚が全くと言っていいほど無い。

今だって、空さえ暗くなければ昼の10時半って言われても何ら不思議に思わない。

「おーい聞いてますか」

二日間ほとのそばにいたであろう見知らぬ野郎に軽く嫉妬しながら、ほとの額をこづいた。

すると。

「ぐふふふふー。太一、知ってるー?」

腹の上の怪人が、ひたひたひたっとオレの胸にすり寄ってくる。

…あれ、ちょっとキモ可愛いかも…とか思うオレは重症か。

にしても、どんだけ飲んでんだよ。

「何が。ってかほと酔いすぎでしょ、早くシャワー浴びて酒抜いてきて」

頬を染めた表情にまんざらでもない気がしたが、そこは大人らしく抑えて未成年を軽く叱った、そのとき。


「ねー太一、自分があたしの初めてだと思ってんでしょー?」

相変わらずのへべれけ口調で、突然言う。

「…はい?」

「だからー、あたしの初めての相手、自分だと思う?ってー」

聞いてんのー。

ほとは、話しながら馬乗りになっていた。
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