短編・中編
□セブンティーン、四月
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「…今の今までは、そう思ってましたが」
動揺を悟られないように、ベッドについた手に力を入れる。
思い当たる節は、あった。
初めてなのに痛がる素振りを見せなかった、とか。
やけに理性を奪い慣れている、とか。
まるでオレと同い年の女であるかのような、ベッドの中での大人びた言動、とか。
でもまさか、オレと付き合う前っつったらほとは14歳より前ってことだ。
オレだってほとが16歳になるのを待ったってのに、14歳より若い子と体を重ねるって、それは完全に犯罪じゃないのか。
それに、厳しくも穏やかな両親に育てられた賢いほとが、そんなことをするとは思えない。
…だとしたら。
「たはははー、太一びっくりしてんでしょ、浮気されたー!?って」
オレが食う前に、余所でこっそり食われたのか?
「太一くーん?聞いて…」
オレは、最後まで言わせなかった。
「…っん…」
乱暴に腹の上のほとの腕を掴むと、胸に倒れた上体を無理矢理抱き込んで唇を塞いだ。
特に嫌がる素振りを見せないほとが男慣れしているように思えて、得体の知れない感情がこみあげてくる。
「…ちょっ、あっ…」
「うるさいよ」
薄手のトップスに手を滑らせ、そのまま熱をもった肌に触れた。