短編・中編
□セブンティーンSのお勉強
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ほら、あたしって森野ほとりだから、湯川梅乃と出席番号が前後でさ。
テスト回収も前後なわけじゃん。
するってーとどうだい、採点も前後なわけじゃん。
あたしのへなちょこ化学答案のあとに梅さんの輝かしいはなまるケミストリーが待ち受けるわけじゃん。
理系教科なんて梅さんリアルにあたしのダブルスコアいくわけじゃん。
ケプラーの法則?何それおいしいの?状態のあたしからしてみれば、なんで文系クラスきたんだテメー!って感じなんだよ、うん。
しかし梅さん、薄々気付いちゃったかもしれないけどとにかく怪力。
武道に長けるとかそんなんじゃない。ただ力がバカ強いの、間違えちゃだめだよ。
おいおいお客さんまだ帰っちゃだめだめー梅さんのセールスポイントまだ1個あるんだからあぁあ!
そう、梅さん――こと勉強のこととなると、根性が、明らかに、ひねまがってるの、ですヨネー‥。