11/18の日記

23:03
助っ人登場!
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「武器を捨てんのはお前達の方だぜ、コラ」

得意げに笑って、こちらに走り寄って来ようとするバジル君を捕らえたコロネロ。

続けてタルタロスの中から大蛸をつれた少年が出て来る。

顔の半分を覆うサングラスのせいで顔立ちは定かではないが、歪められた口元に光るピアスが印象的だった。

「スカル、タルタロスの様子はどうだ?」

問い掛けるコロネロにスカルと呼ばれた口ピアスの少年は力無く首を横に振る。

「制御不能のままっス。相棒が隔壁切り裂いてくれて、何とか出て来れたんスよ」

言って、ジロリとサングラス越しに俺達を睨んで来る。

「貴様ら、舐めた真似してくれたなァ…」

マズイ、このままじゃ…。

焦る俺とは裏腹に、骸はいやに落ち着き払い、ニヤリと笑った。まるで勝利を確信しているような笑い方だった。

と、次の瞬間。

スタン、とマストの辺りから飛び降りてきた人影はコロネロの腕からバジル君を救い出し、こちらへと走ってくる。

その姿を見た途端、俺は喜びのあまり相手の名前を呟いていた。

「…山本……っ…」

そんな俺に山本は歯を見せて、ニカッと笑う。

「助っ人登場〜♪…ツナ、怪我はねぇか?」

見慣れた爽やかな笑顔に言いようもなく安心する。

「うん、俺は平気だよ」

「さて、再び形勢逆転ですね。武器を捨ててタルタロスの中に入って貰いましょうか?」

したり顔で言う骸はいつの間にかスカルの喉元に槍の切っ先を突き付けて捕縛していた。

「…ひっ…せ、先輩…」

「チッ…」

仲間を人質に取られては抵抗も出来ず、コロネロは忌ま忌ましそうに舌打ちして、手にしていた拳銃を地面に放り、タルタロスの階段を昇ってゆく。

「さて、次は貴方の番ですよ」

促されたスカルはどこか戸惑うようにバジル君を見つめ、唇を震わせた。

「ば、バジル様…俺…」

まるで迷子が縋るような頼りない声音だった。

「…今は言うことを聞いて下さい、スカル」

悲しげな表情で諭すように言い聞かせたバジル君に、スカルは無言で頷き、コロネロに続いた。

シャ、とハッチが閉じるのを確認して骸は手にしていた槍を右腕と同化させるように消した。

「これでしばらくハッチが開くことはありません。今のうちに少しでも離れましょう」

そう促されて、俺達は平原を北東に向かって歩きだした。




「ったく、探したぜ〜。まさかマルクトにまで来てるとは思わなかったのな…」

頬を掻きながら苦笑する山本に俺は決まり悪く頭を下げる。

「ごめんね、心配かけて…」

シュンと俯く俺の頭を、ポンポンと叩きながら山本は気にするなと笑う。

「しゃねぇよ、事故なんだから。それに俺はお前の使用人兼、親友だろ?水臭いこと言うなって、な?」

早春の風みたいに爽やかな笑顔に何だか救われた気持ちになって、俺は張り詰めていた緊張の糸が緩んでいくのを感じた。




続く

後書き↓

「〇〇様華麗に参上」言わせようか悩みに悩んだ末、キャラに合ってないなと思い変更。

やっぱ山本は“助っ人”だと思う。

幼なじみの兄貴風吹かせて、ひそかに骸に嫌われるとイイw

山本は山本で笑顔の裏で『ウゼェんだよ、ツナに触んな』とかドロドロ考えてるとか萌える。

クフン…六神将であと出て(決まって)ないのはディストのポジションだけ。

…誰にしよう?骸や雲雀と幼なじみかつ、相手にされない憐れなマッドサイエンティスト。

あのテンションを引き継げるとんでもキャラはいるかな〜と、模索中です。

それでは次回お楽しみに♪

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