03/09の日記
00:34
この頃流行りのA-BoyI
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日曜の朝、俺はヒバリさんとの約束を果たすべく、9時から身支度を整え、財布だけ入れた肩掛け鞄を持って玄関に立った。
「おや、綱吉。こんなに朝早くからお出かけですか?」
朝のアニメを特撮からプ○キュアまで見終えた骸さんが怪訝な顔で俺を見てくる。
「はい、今日はジャ○プの発売日なので…」
「それにしても早過ぎやしませんか?何か僕に隠し事なんてしてませんよね?」
疑いの眼差しを向けられて、そんなんじゃないと首を振りながら俺は玄関を出た。
なんでちゃんと言わなかったんだろ?この前コンビニで会った人と意気投合して、また会う約束したんだって。
自分でも疑問に思いつつ、まだ寒さの残る道を足を速め歩いた。
すると、調度反対から歩いてきたヒバリさんとコンビニの前で鉢合わせる。
「あ、お早うございます、ヒバリさん…」
本当に早いですね、と笑う俺にヒバリさんは呆れたように溜息を吐き出す。
「お互い様でしょ?少し早めに来て立ち読みでもしてようかと思ったんだよ…」
そうじゃないと感想語り合えないじゃない?と頭を掻いた彼と同じ考えをしてた俺は思わず苦笑した。
「じゃあ、もう買って帰って読んだ後、また落ち合いません?」
そう提案すればヒバリさんの表情が僅かに曇る。
「え?帰っちゃうのかい?」
「はい、流石に二人とも読み終わるの待ってたら遅くなりますし、今まだ寒いから公園のベンチでって訳にもいかないでしょう?」
「ファミレスとかは?」
「俺、お金あんまり持ってないし…」
そんな会話をしながらコンビニに入れば、満面の笑みで荷物を下げたディーノさんが出迎えてくれた。
「よぉ、ツナ。お早う」
「あ、お早うございます。ディーノさんは、今上がりですか?」
そう尋ねれば彼は「まぁな」と歯を見せて笑った。するとヒバリさんが俺の脇を肘で小突いてくる。
「…誰だい、彼?」
「あ、ヒバリさんは知らないんでしたね。この人はディーノさんって言って、俺の兄貴の友達なんです」
そう紹介すればディーノさんはニコリと人好きのする笑みを浮かべ、ヒバリさんに向けて手を差し出した。
「ま、仲良くしてくれよ。お前は何て名前だ?」
フレンドリーな彼とは対照的にヒバリさんは野良猫みたいに警戒心剥き出しでディーノさんを睨む。
「何故貴方なんかに名乗らなきゃいけない訳?冗談キツイよ」
「ハハッ、典型的なツンデレだな。そういうの嫌いじゃねぇぜ?」
またもや惜し気もなくオタクを全開にしているディーノさんに流石のヒバリさんも面食らったらしい。
「なに、言ってるの?」
「…ツンデレ×弱気…イケるな…絶妙だ」
何かボソボソと呟いたディーノさんは突然瞳を輝かせて俺とヒバリさんの肩を抱いてきた。
「よし、二人共、近くのファミレス行くぞ。心配すんな、俺が奢ってやるからよ」
そう豪快に笑った彼に半ば引き擦られる形で俺達は近くのファミレスに連れて来られた。
「遠慮せずに好きなもん頼めよ?ドリンクバーは付けるか?」
そう楽しげにメニューを開くディーノさんに苦笑しつつ、隣に座るヒバリさんへと目を遣れば、彼はハンバーグメニューのページを食い入るように見ていた。
え?まさか朝からハンバーグ?ちょっと重過ぎませんか?
そんなツッコミを内心で入れつつ、ヒバリさんの袖を引く。
「あの、ヒバリさん?ハンバーグ好きなんですか?」
そう尋ねればヒバリさんはまぁね…と口角を上げた。
「肉料理が好きなんだ。中でもハンバーグは最大の発明だね。開発した人間を褒めてやりたいくらいだよ」
そう言って笑う彼の表情に少しドキッとする。うわ、ヒバリさんって笑うと少し可愛いかも…。
そんなことを考えていたらニマニマしたディーノさんが頬杖をついてこちらを窺っていることに遅ればせながら気付いた。
「ディーノさん?」
「いやぁ…お前らってマジ萌えるなぁと思ってよ…いっけね、創作意欲が沸々と…メモしとくか…」
用意周到にも胸ポケットからメモ帳を取り出した彼は、ボールペンで何かを走り書きしていく。
「ねぇ、沢田綱吉…彼ってまさか…」
そう声を潜めて尋ねてくるヒバリさんに俺は苦笑で答えた。
「はい、同人作家さんらしいです…」
「ワオ!初めて生で見るよ…ジャンルは?」
「確か、百合とかショタだって言ってましたけど…」
「へぇ…」
ヒバリさんは何にそんなに興味を擽られたのか謎だけど、低く呟いてディーノさんに観察するような眼差しを向けた。
「ん?何だ?俺の顔に何か付いてるか?」
「別に…ふぅん、貴方がね…」
「ん?」
「“跳ね馬.COM”って貴方のサークルでしょ?」
「知ってんのか?」
「まぁね…貴方の描く百合モノ、嫌いじゃないよ」
急に打ち解けた二人に俺はどうしたらいいか分からず、一人苦笑いするしかなかった。
続く
後書き↓
ディノヒバではありません、ケフィア…いえ、ツナ受けです(笑
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