過去ss
□ゼロとイチの間
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夜、月明かりが照らされる廃屋で間明は目を細めて困惑している協力者を見つめた。
「ゼロワン、それが水戸博士が作った君の人間体かい?」
[あぁ…お前に見上げられるのは慣れないが、人間の体も悪くはない]
「そうだね、思ったより端整な顔立ちだよ」
多少よろつきながらも間明の傍に胡座をかいたゼロワンは、不意に立ち上がった協力者に首を傾げた。
[どうかしたか?]
「本当に綺麗な顔だと思ってね?まぁ、女の子には見えないけどさ」
そう言いながら間明はスッとゼロワンの顔を下から覗き込む事を止めない。
褒めてくれているのだから、いい加減にしろ!と振り払うのも気が引けたゼロワンは素直に肯定する。
[当然ッ…!?]
あまりの密着に目を逸らしながら、返事をしようと口を開いたゼロワンに、間明はいきなり唇を重ねた。
ちゅ
[…なんのつもりだ]
「あれ?動じてないね?」
[なんのつもりだと聞いている]
「それとも必死で隠してるだけなのかい?」
肩を押し倒しながら上に跨がった間明にされるがままに横たわるゼロワンはいぶかしげに眉を潜めた。
[なにか変な物でも食べたか?]
「僕が急変したから心配してくれてるんだね!嬉しいよ!」
[違う]
手慣れた手つきで間明がゼロワンの自身を取り出して怪しく笑った。
「大丈夫だよゼロワン、ヨくしてアゲルから」
「何の事だ」
そういいながらも自身を上下に擦る間明を見つめるゼロワンは眉間に皺を寄せている。
[くっ]
「イイのかいゼロワン?イイんだろう?」
[…間明]
「堪えなくていいんだよゼロワン!僕が全部飲み込んであげるから!」
[お前]
ゼロワンが自身を口にくわえ込み啜る間明の行動にあわせて身体をピクピク震わせる
[間明…よせ…]
「ふぇほは〜ん!」
[…間明…
気持ち悪いっ!!!]
ばきぃぃいっ
倉庫に鮮やかな風切り音とうめき声が舞った。