06/08の日記
00:38
癒し系。
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今日の司令部。
大佐が午後からエドワード君のお見舞いに行くんだ。
だから珍しく一生懸命仕事してるよ。
「…では、行ってくる」
大佐が身仕度を整えて、部屋を出ていこうとしたら、ご主人さまが、
「大佐、お待ち下さい」
大佐を呼び止めた。一体なんだろう。まさか、追加の書類とか?
そんな事考えてたら、ご主人さまは僕の所に歩いてきた。そしてあっという間に持ち上げられて。
うわうわうわ!なになになに??
その儘僕は大佐に手渡された。…僕は、荷物じゃないよ…。
「中尉?何故ブラックハヤテを私に…?」
「一緒に連れていって、お役に立てて下さい。」
「?」
え?僕が何の役に立つの?僕、犬だから看病とか出来ないよ?
「心に傷を持った人達の治療に、犬が使われる事がある…と言うのを以前聞いた事があるので…エドワード君も、ブラックハヤテと遊ぶのが好きな様でしたし」
「成る程…では、借りていくよ」
へぇ〜。僕って癒し系?と言うか大佐、僕は荷物じゃないって…。
こうして僕は、大佐と一緒にエドワード君のお見舞いに行く事になった。
エドワード君の病室の前。ちょうど、アルフォンス君が出てきた所だった。
僕達に氣が付いて、こっちに歩いてきた。
「やあ、アルフォンス。」
「大佐、来て下さって有難うございます…あれ?ブラックハヤテ…」
アルフォンス君は僕を見て、何で?って感じで首を傾げた。鎧だから、表情とかは分からないけど。
「中尉に渡されたんだよ。犬等の動物は、心の傷を癒すのに良いらしくてね」
「そうなんですか…。中尉って、物知りなんですね」
アルフォンス君が感心してる。そう、僕癒し系なんだって。
「鋼の、具合はどうかね?」
そう言って、爽やかに病室へ入る大佐。…僕を抱えた儘だけどね。
「あ…大佐、来てくれたんだ…あれ?ブラックハヤテ…」
エドワード君、僕を見てびっくりしてる。普通、一緒に来るとは思わないよね。
「今日はブラックハヤテと一緒に見舞いに来たのだよ…ほら」
大佐は僕をエドワード君の膝の上に乗せてくれた。
僕はエドワード君の左手をぺろりと舐めた。
「ひゃっ…はは、くすぐったいよ、ブラックハヤテ」
エドワード君、笑ってくれたよ!
大佐を見たら、凄く優しい顔してエドワード君を見てた。大佐って、こんな顔も出来るんだ。
「…具合は良くなったかね?」
「ああ、だいぶ良いよ…。あの…大佐…ごめん…」
エドワード君は申し訳なさそうに言った。
大佐はそんなエドワード君の頭をポフンと叩いた。
「どうして鋼のが謝るのだね…元はと言えば、私の勘違いが原因だ。」
「大佐…」
「謝るのは私の方だよ…。済まなかった、鋼の…いや、エドワード」
大佐は優しくエドワード君の名前を呼んで、頭を叩いた手て頬に触れる。
「…大佐、怒ってないのか…?」
「…だから、君の所為ではないと言っているだろう?…まったく、君は…」
大佐は、エドワード君の顎に手を添えて上を向かせた。
見つめ合う二人。
…こ、これは…この雰囲気はまさか…。
「エド…」
「たいさ…ロイ…」
うわわわ…っ!!
今、僕の目の前では物凄〜く濃厚なキスシーンが繰り広げられて…。
「…ん…っは…ぁ…」
ぼ・僕には刺激が強すぎるって!
と言うか、僕の存在、忘れられてる?
……エドワード君と大佐、仲直り出来て良かったけど…。
あの、独特の甘い雰囲気は…。
はっきり言って、辛かった…。
帰りは、大佐の腕の中でぐったりしてた。
エドワード君、もうすぐ退院出来るんじゃないのかな…。
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