05/10の日記
01:51
癒し系。
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珍しく、ご主人さまは今日もお休みだった。ここのところ、忙しくてお休みが取れなかったから、まとめてお休みを貰ったんだって。
僕としては、お休みが嬉しいのが半分、司令部の皆と会えなくて寂しいのが半分。
朝お散歩して、お昼はお部ご主人さまと一緒に部屋で寛いでた。
ピンポーン
誰かが来たみたいだ。
ご主人さまが玄関に走っていった。
「どちら様?」
「僕です。アルフォンスです」
「アルフォンス君?」
やってきたのはアルフォンス君だった。どうしたんだろう、何かあったのかな?
「お休みの所、済みません中尉。司令部に行ったら、今日も非番だって聞いたので…」
「いいのよ、アルフォンス君。それよりどうしたの?何かあった?」
そうだ。アルフォンス君がわざわざ来る位だから、何か大変な事があったのかも知れない。
僕は氣になって、二人のそばに歩いていった。
「いえ、大した事じゃないんです…。ちょっと、ブラックハヤテをお借りしようと思って…」
「ブラックハヤテを?」
え!僕?僕の事…?
「はい、実は…」
アルフォンス君は病院でエドワード君が退屈で仕方ないと言う事、その事でストレスが蓄まって苛々してる事…それで、それをなんとかして解消させてあげたいと言う事をご主人さまに話した。
「それで、ブラックハヤテと遊ばせてあげたら、少しでもストレス解消になるんじゃないかと思って…。兄さん、ブラックハヤテと遊ぶの好きみたいですし」
「そう…。でも、犬を病院に連れていって大丈夫なの?」
そう、僕もそれが心配。だって昨日、ばれない様にこっそり入った位だから。
「それなら大丈夫です。病院には許可を貰いました。中庭なら入れても良いそうです。」
流石アルフォンス君!ちゃんと許可を貰ってあるなんて、凄いや。
「それなら…。エドワード君の為ですものね。ブラックハヤテを連れていってあげて頂戴」
そう言ってご主人さまは、僕を抱き上げてアルフォンス君に手渡した。僕は今荷物気分。
「有難うございます!じゃあ、お借りします」
「エドワード君に宜しくね」
「はい!」
こうして僕は、アルフォンス君に抱えられてエドワード君の待つ病院に向かった。
「ごめんね、ブラックハヤテ。付き合わせちゃって…怒ってる?」
アルフォンス君が申し訳無さそうに声を掛けてくる。僕は怒って無いよ?
それを伝えたくて、アルフォンス君の鎧の手をぺろりと舐めた。
「…有難う、ブラックハヤテ」
アルフォンス君、分かってくれたみたいだ。
――病院の中庭に着いた。アルフォンス君の話だと、ここにエドワード君がいる筈だけど…。
いた!ベンチに座って…あれ?隣にいるのは…。
「あ、兄さん!ブラックハヤテ連れてきたよ…って、大佐!?」
「アル!わざわざ連れてきてくれたのか?」
「やあ、アルフォンス君」
なんで大佐がいるの?仕事は?
「おーし!ブラックハヤテ、遊ぼうな〜!」
アルフォンス君に降ろして貰って、エドワード君に駆け寄りながらも、氣になるのは大佐の事。
「大佐、お仕事は大丈夫なんですか?」
「ああ、心配しなくても、きちんと済ませてある」
「そうですか。僕はてっきり中尉が非番なのをいい事に、サボっているのかと思いましたよ」
バチバチバチ…
僕の目には、大佐とアルフォンス君の間に黒いオーラと激しい火花が見えた。
「アル、大佐、なにやってんの?」
きょとんとした顔でエドワード君が二人に尋ねる。
「何でも無いよ兄さん♪」
「そうだぞ鋼の♪」
…二人の切り替わりが…凄い…。
今日は、アルフォンス君の知らなかった面が見れた。
…見たくなかったかも、知れない…。
世の中には、知らなくて良い事もあるんだね…ι。
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