05/12の日記
03:20
アルフォンス君。
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今日の司令部。
大佐は蓄まった書類を一生懸命やってる。
他の人たちもそれぞれの仕事をそれぞれの机に座ってやってる。
珍しく順調に仕事が進んでるみたい。
そんな所へ、お客さまがやってきた。
誰だろうと思ってたら、アルフォンス君だった。…何だかいやな予感がするよ。
「済みません、お邪魔します」
「あら、アルフォンス君いらっしゃい」
ご主人さまがにこやかにアルフォンス君を迎える。
「やあ、アルフォンス君、どうしたのかね?」
大佐が顔を上げて、アルフォンス君に尋ねる。
「はい、今日は大佐にお話があるんですが…」
バチバチバチ…
あわわ、この雰囲気は…おとといと同じだよ…。大佐とアルフォンス君の間に、どす黒いオーラがどよどよ、火花がばちばち。
ご主人さまは…あえて見ないふりをしてるみたい。
「では、執務室へ…「いえ、ここで結構です」
司令部のみんなも、ハラハラしながら二人を見守ってる。
話の内容は、大体予想がつくけど…。
「毎日毎日、お見舞いに来て下さるのは良いんですが、あまり兄さんにちょっかいを出さないで頂けませんか?」
「毎日でも見舞いに行って様子を見てやるのが、後見人としての私の務めだと思うのだが」
二人の声がやけに部屋に響く。他のみんなが一言も声を出さないからだ。
「兄さんには僕が付いてますからご心配なさらずに」
「しかしだね…それは、君への負担も考えての事なのだがね」
二人の話し合い…と言うか、言葉のけんか(痴話げんか?ちょっと違うな…あ・口げんかだ!)は続く。
「僕に対してのお気遣いは無用です。…大佐、この際はっきり言わせて頂きます」
「…何だね?」
何を言うんだろう…。きっとみんなもそう思ってる。
「あまりそばに近付き過ぎると…兄さんに、大佐の『無能』が移ります!!」
「なっ!!!」
『無能』が移る…。その言葉で、大佐は持っていたペンを落とし、固まってしまった。顔に縦線が見えるよ。
他のみんなは…笑いを堪えてるのがよく解る。
「僕が言いたいのはそれだけです。では、失礼します」
そんな中、アルフォンス君は『無能』と言う言葉を残して帰っていった。
アルフォンス君、凄いや。
大佐はこの後、仕事が全く手に付かなかった。
本当に無能になってどうするの?
まったく。
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