05/17の日記
00:38
エドワード君の事。
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「…はぁ……」
司令部の、執務室に響く、深い溜め息。その溜め息を吐いたのは、この司令部で一番偉い(とは絶対思えない)ロイ・マスタング大佐(最近やっと名前を覚えた)。
僕はこの執務室に、ご主人さまと一緒に入ってきたんだけど…。
ご主人さまも、何だか浮かない顔をしてる。
「まったく。鋼のは何故あんな無茶を…」
そう言ってまた溜め息を吐く。
昨日のエドワード君の事を言ってるみたい。
「…彼なりに、責任を感じていたのではないでしょうか…。自分が関わっていた事件の犯人が逃げている、と言う事で…」
「鋼の気持ちも解る、それに彼の実力も認める。しかしだな…治り切っていない体で、しかも一人で乗り込むとは…」
大佐はいつも以上にエドワード君の事を心配してるみたいだ。
「大佐…」
「…あぁ済まない。鋼の事になると、つい向きになってしまってね…。」
大佐はご主人さまの方を向いて、ちょっと恥ずかしそうに笑った。
そんな大佐を見て、ご主人さまはふっと微笑んだ。
「大佐は、本当にエドワード君の事が好きなんですね…」
「分かるかね…」
「はい、それはもう。分かり易過ぎます…」
大佐ったら、何を今更。皆とっくに分かってるよ、そんな事。
エドワード君が来た時の態度を見れば、ねぇ。
…僕は氣付くの遅かったけど、それは内緒。
「あの子を見ていると、どうしても放っておけなくてね…ついからかったりしてしまうのだが…」
大佐は目を閉じて、続けた。
「…大切にしてやりたい。守ってやりたい。」
守ってやりたいなんて、本人の前では言えんがな。って言って肩を竦めた。
「だから、無茶はして欲しくないのだよ」
「そうですね。無茶はして欲しくないですね」
こんな感じで、今日はご主人さまが書類の催促もしないで過ぎて行った。
エドワード君、もてもてだね。(?)
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