05/25の日記

08:38
暇と眼鏡。
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「くっそう、結局昨日は新しい本来なかったし、タバコ吸わされるしでろくな事なかったな」
「でも、タバコの事は兄さんも悪いと思うよ?」
「…そうだけどさ…」

司令部のソファに座って、昨日の事を話してるエドワード君とアルフォンス君。

昨日待ってたのは、新しい本だったみたい。…昨日は来なかったのか。だから今日も来てるんだね、エドワード君とアルフォンス君。

今日は本、来てるのかな?

「それにしても…」
「それにしても、何?」
「ひ〜ま〜だ〜〜〜!」
「………兄さん……ι」

エドワード君はそう言うと足をぶらぶらさせた。
まるっきり子供だよ。
アルフォンス君は少し呆れてるみたい。今にもアルフォンス君の溜め息が聞こえてきそうだよ。

「何か暇つぶしになるモンねぇかな〜?」

そう言って、エドワード君は部屋を見渡す。僕もその視線を追ってみる。

「お、」

エドワード君は、何かに氣付いて立ち上がった。そして、行き着いた先は…。

「フュリー曹長の眼鏡はっけ〜ん!」

エドワード君が見付けたのは、フュリー曹長の眼鏡だった。
フュリー曹長のは丁度外出中で、机の上には替えの眼鏡が置き忘れてあった、と言うわけ。

エドワード君はその眼鏡を手に取ると、悪戯っこの様に目を輝かせて観察し始めた。

「こんなので目が見えるのかな?」
「兄さん、人様の物を勝手に触っちゃ駄目だよ!」

アルフォンス君が止めさせようとしたけど、エドワード君はお構いなしで…。

「へへ、掛けてみちゃおうかな…」

かちゃ。

「Σぅわっ!!」
「に・兄さん!?どうしたの?」

エドワード君、何があったの?

「〜頭がくらくらする〜〜…」

…どうやら、眼鏡を掛けた途端、頭にクラクラ来たらしい。

「もぅ、兄さんたら…。目の良い人が眼鏡を掛けたら度が合わなくて当然だよ?それに、視力が落ちちゃうんだからね」
「げっ!それ本当かよ!」
エドワード君は慌ててフュリー曹長のの眼鏡を外す。
外したけど、眼鏡を元に戻そうとはしない。何で持った儘なの?

エドワード君が僕の方を見て、にっこり笑った。…何だかイヤ〜な予感がするんだけど…。

「ブラックハヤテ、眼鏡掛けてみるか?」

そう言ってエドワード君がだんだん近づいてくる。
僕が眼鏡!?
逃げたいんだけど、僕は丁度部屋の隅にいて、両方とも物があって…。エドワード君は思いの外近くまで来てて…。

要するに、逃げられないわけで…。



結局、ご主人さまがエドワード君とアルフォンス君を呼びにくる迄、僕はエドワード君に遊ばれてた。

「犬の耳には眼鏡、引っ掛けられないんだな〜」
とか。犬と人間じゃ、体の作りが違うからね。

そうじゃなくて。

どう考えたら、『犬に眼鏡』って言うのが思い浮かぶんだろう。

途中でご主人さまが呼びにきてくれて良かった。
本も来たみたいだし。

悪戯は勘弁して……。

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