05/28の日記

01:00
助言。
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今、ご主人さまは大佐のいる執務室に向かってる。僕はそのご主人さまに付いていってる。
ご主人さまには、何か考えがあるみたいだ。

執務室の前まで来た。

コンコン

「大佐、失礼します」
「入りたまえ」

ご主人さまと一緒に執務室に入る。何だか緊張するな…。

「大佐、追加の書類です。」
「…少し、多過ぎではないかね?」
「いえ、これでも今日は少ない方です。」
「…そうか……」

いつもの様な会話。でも、いつもとちょっと違う感じがする。

「…大佐」
「何だね中尉、まだ何か…」
「エドワード君の事なのですが」
「………。」

大佐、よ〜く見ないと分からない位にピクッて反応した。

「…鋼のがどうかしたかね?」
「この儘で、宜しいのですか?」

大佐は暫く黙り込んだ後、いつもの調子で答えた。

「それは、鋼のとハボックの問題だ。私が口を出す必要はないだろう」
「大佐、それは大佐の誤解かと…」
「どうしてそう思うのかね」

眉間に皺を寄せて、不機嫌そうな顔でご主人さまに聞き返す。

「私はその場で一部始終を見ていましたから…。」
「………。」
「あれは、明らかにハボック少尉の暴走です」

大佐の顔が、哀しそうな顔になった。

「しかし、抱きついていたのは事実。今更…」

ああもう、煮え切らないなぁ。大佐って、案外うじうじするタイプ?

「エドワード君、泣いていましたよ」
「……!」

大佐の顔色が変わった。

「今のエドワード君は、精神的に不安定です。…この儘では、本当に離れていってしまいますよ、大佐」
「中尉、君はどこまで…」「大佐とエドワード君の事は、もうばればれですから」
「………」

そう、ばればれですから。だから、ご主人さまは余計に放っておけなかったのかも知れないな。
エドワード君、大佐と居る時何だかんだ言って、笑顔だったもの。

「…まだ、間に合うだろうか…」

大佐は額に手を当ててそう言った。

「それは、大佐次第かと」
「そうだな…」

どうやら、仲直りする氣になったみたいだ。
誤解した儘、一方的に別れるのなんてだめだよね。

「では、私はこれで失礼します」

あ、ご主人さま、帰るみたいだ。僕は慌てて後を追った。

「中尉、助言感謝する」
「いえ、私はただエドワード君の涙を、これ以上見たくないだけです」

大佐の為ではありません、って続けてご主人さまは執務室を出た。

大佐、ちょっと固まってた。

止めを刺す事を忘れないご主人さまは、やっぱり凄いと思った。

仲直り、出来るかな…。

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