05/30の日記
18:18
いない。
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うぅ〜。
何で、こうなるの。
今日はご主人さまが非番でお休み。
だから、司令部には行けないんだ…。
大佐とエドワード君の事とか、ハボック少尉の事とか、物凄く氣になるのに。
ご主人さまは、氣にならないのかな?
…こうなったら、一人でお散歩に行く振りをして司令部に様子を見に行っちゃおうかな。
そんな事を考えていたら、家の呼び鈴が鳴った。誰か来たみたいだ。
ご主人さまが玄関に走っていく。
「どちら様?」
「僕です、アルフォンスです!」
「アルフォンス君?」
アルフォンス君だった。
どうしたんだろう、何だか物凄く慌ててるみたいだ。
「済みません、兄さん知りませんか?」
「いえ、今日は会ってないけど…エドワード君がどうかしたの?」
「兄さんが…昨日、図書館に行ったきり帰ってこないんです…!!」
ぇえっ!?
エドワード君、行方不明?大変だ!
「そんな…。あ、大佐の所はどうなの?大佐は昨日非番だったから」
「いえ…大佐なら昨日、兄さんが出掛けた後に宿に来たんですけど…」
ご主人さまは、黙ってアルフォンス君の話を聞いてる。…動揺してるのが僕からでも分かる。
「兄さんは図書館に行った事を話したら『では図書館に行ってみるよ』って帰って…。だから兄さんはてっきり大佐の所にいるのかと思ってて。でも、今日司令部に行って大佐に聞いたら『昨日は会えなかった』って…」
「状況は分かったわ。アルフォンス君、心当たりは?」
「…兄さんが行きそうな場所は思いつく限り捜したんですけど…。今、大佐達も探してくれてます…。兄さん…っ」
「アルフォンス君、大丈夫よ。私も一緒に捜すから…ね?」
取り乱すアルフォンス君にご主人さまは優しく話し掛けた。
手早く身仕度を整えると、アルフォンス君と一緒に、エドワード君を捜しに街へ向かった。
ぼ・僕も!!
街の中に来たはいいけど…どこ捜せばいいかな。
心当たりは全部捜したってアルフォンス君言ってたしな。
よし。路地裏中心に捜してみよう。
…やっぱり見つからない。そんなに都合良くはいかないか。
でも、もしかして。
そう思って、路地の奥の奥、誰も入りそうもない所に入ってみた。
路地裏は、さすがに薄暗い。ちょっと恐かったけど、エドワード君を捜すためだ。
かなり奥まで来たところで、ちらりと見慣れたものが見えた。
…あれは、エドワード君のコート…。
急いで駆け寄ると、そこには倒れているエドワード君が…。
「ワン!」
声を掛けるけど、反応が無い。氣を失ってるみたいだ。顔を舐めても起きてくれない。
…大変だよ。誰か連れてこなくちゃ…!!
後はもう夢中だった。僕がいる場所が分かる様に大きな声で吠えて、それでも駄目だったから、無我夢中で走って。
氣が付いたら、僕はアルフォンス君と一緒にエドワード君が倒れている所まで来ていた。
「兄さん…。兄さん?!しっかりして!!」
アルフォンス君は意識の無いエドワード君を抱えて、ご主人さまたちの所まで走った。
「エドワード君?」
「…鋼の!」
エドワード君は意識が戻らない儘、近くの病院に運ばれた。
病室では、エドワード君は点滴をされてて。アルフォンス君がそばでじっと座ってた。
お医者さんの話だと、命には別状はないって。
意識が戻らないのは、精神的に参ってるからだろう、って言ってた。
今日の所は、二人をそっとしておこうって事になって、アルフォンス君に一声かけて病院を後にした。
ご主人さまも、大佐も、ずっと無言だった。
特に大佐は、物凄く苦しそうな顔をしてた。
エドワード君、早く意識が戻るといいな。
早く、いつもの様に笑って欲しいな。
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