06/10の日記
04:01
相談。
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今日は、大佐の机の上が幾らか、本当に幾らかだけど、すっきりした様に…見える?
昨日、エドワード君のお見舞いに行かせて貰えなかったから、今日こそは、って思ってるのかも知れないな。
いつも思うけど、やれば出来るのに、何で普段やらないんだろう?
そうすれば、ご主人さまにも怒られずに済むのにね。
お昼を過ぎて、大佐の机の上の書類が大体片付いてきた頃…。
アルフォンス君が司令部にやってきた。
エドワード君は一緒じゃないみたい。まだ病院から出られないのかな…。
「えーと。こんにちは」
「あら、アルフォンス君いらっしゃい。エドワード君は…まだ病院?」
「はい…。実は、今日は相談したい事があって来ました」
相談したい事?何だろう?
アルフォンス君に、大佐が書類から目を離して言った。
「アルフォンス、そんな畏まる事はない。どんな相談だね?」
「はい、兄さんの事なんですが…退院の許可が出たんですけど、まだ本調子ではないので…自宅療養が必要だって言われたんです…」
そこまで話すと、アルフォンス君は俯いちゃった。
俯いた儘で続ける。
「でも、僕達の家はもうないですし、リゼンブールに帰るにも汽車で結構な時間が掛かるので、兄さんに負担が掛かりますから…。宿に泊まりますって言ったら、そう言う場所じゃ安静に出来ないだろうって…」
じゃあ、エドワード君は結局その儘病院で過ごす事になるのかな…。
「…かと言って、この儘また暫らく入院生活だと、兄さんが参ってしまいます。それで、何か良い方法がないか、相談をしに来たんです…本当に済みません…」
アルフォンス君、申し訳なさそうにぺこりとお辞儀をした。
アルフォンス君も大変だな…そう思った。
そんなアルフォンス君に、大佐が話し掛けた。
「アルフォンス、頭を上げたまえ。…では、私の家に来れば良い…」
「えぇ!?そんな、ご迷惑じゃありませんか…?」
「何、一人では広過ぎる位だ。二人共氣にせずに使うと良いさ」
大佐の家、僕はまだ見た事がないや。どれ位大きいんだろう?
アルフォンス君は暫らく考えて、決心した様に言った。
「では…そうさせて頂きます。……僕としては、不本意ですけど…」
あれ?後に続いたセリフ、何か引っ掛かるんだけど。それに、微妙に黒いオーラが出てる氣がするのは…僕の氣の所為であって欲しい。
「…どう言う意味だね?」
大佐も引っ掛かったみたいだ。口の端が微妙に引きつってる。
「いえ、どこかの悪い大人に、兄さんが何をされるか判らないので…」
氣の所為じゃなかった…!
アルフォンス君の、黒いオーラ復活だ…。
それから暫らく、アルフォンス君と大佐の睨み合いが続いた後、アルフォンス君はエドワード君の退院手続きをする為に病院に戻っていった。
手続きの後、荷物とかを纏めて、明日には大佐の家に行くんだって。
…一つ屋根の下、エドワード君、アルフォンス君と大佐の生活が始まろうとしてる。
エドワード君の調子が戻るまで、だけど。
大丈夫かな…。
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