06/21の日記

04:09
帰ってきた、けど。
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今日は、やっと大佐が帰ってくる。

朝からエドワード君とアルフォンス君が来てて、エドワード君は物凄くそわそわしてるみたい。無理もないよね。
アルフォンス君は、エドワード君のその姿を見て、なんだか複雑な氣持ちみたい。


「…大佐、まだかな…」

今日何回目になるか分からないエドワード君の、その言葉。

足をブラブラさせて、しきりに時計と睨めっこしてる。

そんな風に全然落ち着かないエドワード君を見て、ご主人さまは笑顔で言った。

「大佐なら、今ハボック少尉が車で迎えに行っているから…もうすぐ帰ってくると思うわよ?」
「ほんと?…そっか…もうすぐ、か…」

エドワード君の顔が、僕でも分かる位に明るくなっていく。
エドワード君は、本当に分かり易い。にやけてるにやけてる。



それから少しして、部屋の外から聞き覚えのある声がしてきた。

「ただ今戻りました!」
「…今戻った…」

扉が開いて入ってきたのは、ハボック少尉と大佐だった。

久しぶりに見る大佐の顔は、何だか随分やつれて見えた。疲れてるのかな…。

「大佐、お疲れさまです」
ご主人さまが大佐に声を掛けた。

「ああ中尉、留守中は何事も無かったかね?」
「はい、それはもう至って平和でした。大佐が留守の間、仕事はいつも以上に捗りました…」
「そ・そうか…」

ご主人さま、なんだか物凄くヒドイ言い方だ。大佐もたじたじだね。

それにしても、やっぱり大佐は元氣が無いみたい。どことなく、足元もふらふらしてる様な…。

「大佐、お帰り…って、何か顔色悪いぜ?大丈夫かよ…」

エドワード君が駆け寄って大佐の顔を覗き込んだ。

「…ただいま、鋼の…。身体はもう良いのかね?」
「あぁ、俺はもう平気だけど…」
「そうか…安心したよ…」
大佐はふっと微笑むと…力が抜けたみたいに倒れこんだ。
慌ててエドワード君が大佐を支えて、

「おいっ!大佐、どうしたんだよ!大佐…」

エドワード君が必死になって呼び掛けても、意識を無くした儘、ぴくりともしない大佐。

これって、大変なんじゃないの…?

大変だ〜〜〜っ!!


「大佐…!とにかく横になれる場所へ運ばないといけないわね…」
「ここだと、医務室よりも大佐専用の仮眠室が近いッスよ!」

ご主人さまやハボック少尉、皆も大慌てだ。

「アル、大佐運ぶの手伝ってくれ!」
「う・うん、分かった!」

エドワード君とアルフォンス君、二人がかり(って言うかアルフォンス君一人で?の方が正しいかも。)で大佐を大佐専用の仮眠室に運んでいった。
僕も付いていった。氣になるし。


アルフォンス君が大佐をそっとベッドに寝かせると、エドワード君はベッドの傍に椅子を持ってきて座った。
未だ意識を取り戻さない大佐。

エドワード君は大佐の額に左手を当てた。

「…熱い……!熱があるみたいだ…」
「大変だ!じゃあ僕、冷たい水と濡れタオル持ってくるね!」

アルフォンス君はそう言うと、ガシャガシャ音をたてて走っていった。

暫らくして、お水とタオルを持ってきたアルフォンス君にエドワード君は言った。

「アル、俺は大佐の事看てるから…一人で帰っててくれないか?」
「え?兄さん…」
「…頼む」
「…分かったよ兄さん。でも…兄さんこそ、無理しちゃダメだからね」
「分かってるって」

こうして、エドワード君は司令部に残ることになった。

それからエドワード君は、付きっきりで大佐の看病をしてた。
タオルを何度も替えて、時々汗を拭いてあげて。

よし!僕も一緒にいよう!

…で、ご主人さまが来てもずっとここで動かないでいたら、ごはんとトイレを用意してくれた。

「エドワード君、余り無理をしては駄目よ?…ブラックハヤテ、エドワード君の邪魔をしない様にね?」

ご主人さまは帰る時、アルフォンス君と同じ事をエドワード君に言ってた。

…僕は、邪魔なんかしないのに…。


僕は邪魔にならない様に部屋の隅っこで座ってた。

ああでも、眠くなってきたかも…。

「…ロイ…俺には無茶するなって言ってる癖に、自分が無茶するかね、普通……。この馬鹿ロイ…」

眠りに落ちる寸前に、そんな言葉を聞いた…。

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