06/22の日記

13:59
お目覚め。
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…氣が付いたら、外が明るくなり始めてた。
結局あのまま寝ちゃったんだ、僕。

そうだ。大佐はどうしたんだろう?
そう思って、ベッドの方を見てみた。

ベッドの傍で、エドワード君はベッドに突っ伏した格好で寝ちゃってた。
きっと、大佐の看病をしてるうちに寝ちゃったんだろうな。

「…ぅ…うん……」

低いうめき声がして、大佐が動いた。目が覚めたのかも知れない。

「……ここ…は…。仮眠室?……あぁ、あの時…」

やっぱり目が覚めたんだ。
大佐は起き上がろうとして、直ぐ傍で寄り添うように寝てるエドワード君に氣が付いた。

「…鋼の…?まさか、ずっと私の事を…」

エドワード君はまだ氣が付かないで寝てる。
大佐はそんなエドワード君を見て、凄く優しい顔をして微笑んだ。

「有難う、…エドワード…」

そう言って、エドワード君の頭を愛しそうに撫でた。

「…んぁ…あれ…?」
「…目が覚めたかね?鋼の」
「…あ、うん…大佐お早よう………じゃなくて!!大佐、身体は大丈夫か?熱は…?」

エドワード君、ナイスな寝呆けっぷり。
…そうじゃなくて。

エドワード君は慌てて大佐に聞いてる。額に手を当てて熱が無いか確認したり、顔色を見たり。

「…ああ、もう随分善いよ…」
「良かった〜。…俺、物凄く心配したんだぞ…大佐が、死んじゃったらって…そんな事…考えちまって…」

エドワード君は段々泣きそうな声になって、大佐にしがみ付いて俯いちゃった。

そんなエドワード君を、大佐は優しく抱き締めて、背中を撫でてた。

「心配を掛けて、すまなかったね…」
「…ほんとだよ……大佐のアホ……無能…」
「…無能はひどいな…」

暫らくそのままで二人は抱き合ってた。




やっと落ち着いたエドワード君は、顔を上げて大佐に尋ねた。

「なぁ、何でそんなになる迄無茶したんだ?そんなに中央の仕事、大変だったのかよ」
「…中央での仕事自体は…然程でも無かったのだがね…大変と言えば大変だったのだが……鋼の、私の鞄を持ってきて貰えるかね」

そう言われて、エドワード君は昨日一緒に運んできた大佐の鞄を持ってきて、大佐に渡した。

大佐は鞄を開けて、何かを探してる。

「あった。これだ」

出てきたのは、結構な厚みがある紙の束。大佐はその紙の束をエドワード君に手渡した。

首を捻りながら、それをパラパラと捲るエドワード君。中身を見て、びっくりした顔をしてる。

「大佐…これって…」
「ああ、人体錬成に関する重要文献を纏めた物だ…。偶然見つけたのだが、持ち出し禁止だったのでね…職務の合間に急いで纏めたのだよ。」
「…ぁ、だから…」
「寝る間も惜しくてね…多少無理をしてしまった様だ…」

紙の束は、大佐がエドワード君の為にまとめた…えーと…じゅうようぶんけん?て言うやつらしい。エドワード君にとっては凄く有り難いものみたい。

エドワード君はそれを大事そうに握り締めて、大佐をじっと見た。

「…俺なんかの為に、身体壊して…あんた本当に馬鹿だ…でも…有難う…」

なんだかエドワード君、泣いてるみたいだった。

「私は、君の為だったらどんな無茶でもするさ…」

そう言うと、大佐はエドワード君の頬を優しく撫でて微笑んだ。



――――で、大佐は大事を取って(誰かがそう言ってた)一日ベッドの中だった。
途中から退屈そうにしてたけど。

エドワード君が付いててくれたんだから、良いじゃない。

ね。

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