06/29の日記
01:44
雨。
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今日は朝から雨がしとしと降ってる。
そのせいで、部屋の中もなんだかじめじめしてるみたい。体の周りに湿った空気がまとわりついて嫌な気分だ。
「はぁ…。やはり雨の日は氣が重い…」
大佐がそう言って溜め息を吐いた。机の書類は全然減ってない。
「…俺も憂鬱ッスけど…大佐程じゃないですね」
ハボック少尉がタバコをもみ消しながら言った。顔は窓の外を見てる。
「ハボック、それはどう言う意味だ…?」
そんなハボック少尉を大佐はじとーっとした目で見て、不機嫌そうな口調で言った。
「え?だって大佐は雨の日無能じゃないですか…」
「むの…」
大佐の顔に縦線が見える氣がするのは、僕だけ…?
大佐は『無能』って言われるのが本当に嫌みたいだ。
そんな事言われたものだから、ただでさえ進みの遅い仕事が更に遅くなってる。
でも、なんで大佐は雨の日は無能なんだろう?僕が見たところ、いつも無能な氣がするんだけど…。
ガチャッ
ご主人さまが、大量の書類を抱えて入ってきた。
いつも思うんだけど、毎日毎日、どうしてあんなにたくさん書類が運ばれてくるんだろうね?
ご主人さまの持ってきた書類を見て、大佐の顔は更に縦線が増えた氣がする。
大佐の机に書類を置いたご主人さまは、大きな溜め息を吐いてピシャリと言い放った。
「大佐…これ以上無能と言われたくないのでしたら、さっさとこれらの書類を片付けて下さい。今日中に、ですよ」
「し・しかしだな中尉。いくら何でもこれだけの量を今日中になんて…」
大佐の言葉は途中で途切れた。
なんでかと言うと…。
ジャキン
ご主人さまの愛銃が大佐のこめかみにジャストフィット♪…って、段々動じなくなってる自分が恐い…。
「…いっその事、再起不能になりますか?大佐…」
笑顔で物凄く恐ろしい事を言うご主人さま。
周りのみんなは黙って仕事をしてる。…って言うか、ご主人さまの怒りに触れない様に必死になってるって言った方が正しいかも。
それから大佐は、ご主人さまに再起不能にされない様に必死になって仕事をこなしてた。
時々、
「鋼の…助けてくれ…」
って呟きながら。
でも、エドワード君はきっと助けてくれないと思う。『雨の日無能だと、色々大変だな!』とか言って、からかいそうだよね。
ふと、思った。
…あぁ。何も知らなかった頃に戻りたい…。この頃荒んでるよね、僕の心。
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