07/03の日記

14:26
兄弟喧嘩。
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今日の司令部の中は…。
さっきから物凄くおっきな声が響いてる。その声は今、廊下を移動中。
おっきな声を出してるのは二人。…エドワード君と、アルフォンス君だ。


「兄さん!やっぱり大佐は止めておいた方が良いよ!」
「そんなの俺の勝手だろ?…てかアル!そんな大きな声で話すなよ!周りに聞こえちまうだろ?」


そうだね。よく聞こえるよ、二人の声。…エドワード君と大佐の事は、ここのみんなが知ってる事だから大丈夫だとは思うけど…。

偉い人が突然来たら大変な事になるんだろうな。

言い争った儘、二人はご主人さまやハボック少尉のいる部屋の中に入っていった。


「でも、何でよりによって大佐なの?」
「しょうがねぇだろ?…す…好き・になっちまったもんは…」


顔を真っ赤にしてそう言うエドワード君は、物凄く可愛い…って、そうじゃなくて。
部屋に入ってからも続く二人の言い争い…もうこれは喧嘩だね。二人の喧嘩を見て、部屋のみんなは呆気に取られてる。フュリー曹長なんかおろおろしてるよ。可哀相に…。
さすがのご主人さまも口出しできないみたい。


「そんなのおかしいよ…。だって、男同士だよ?」
「おかしい…って言われても、好きなもんは好きなんだよ!ああもう、何でこんな事言わなきゃならないんだよ…」


二人の喧嘩は平行線。大丈夫かな…。


「アル、お願いだからそっとしておいてくれよ…」


エドワード君が困った顔をしてアルフォンス君に言った。
でも、アルフォンス君は引き下がらない。


「僕は兄さんの事を思って言ってるんだよ?」
「だからそれはな、アル…」
「大佐と付き合うなんて、兄さんきっと何時か傷つくよ?だって大佐は…」


ダンッ!!


突然響いたおっきな音に、みんなが固まった。
その音は、エドワード君が側にあった机を叩いた音みたいだった。


「そんなの、アルには関係ない!余計なお世話なんだよ!!」


…エドワード君がこんなに怒ったの、初めて見た。
それだけ大佐との関係が本氣だって言う事だよね。


「な・何だよその言い方…僕は兄さんの為に言ってるのに…」
「それが余計なお世話だって言ってるんだよ!」


ああ、だんだんいや〜なふんいきに…。


「た・大将落ち着けって!アルも冷静になって…」


ハボック少尉が必死に二人を宥めようとしてる。


「「少尉は黙ってろ(て)!!」」
「…はい。」


ハボック少尉、ちっちゃくなっちゃったよ。可哀相…。


「分かったよ…もう知らない!勝手にすればいいよ!!」
「ああ、言われなくてもそうさせて貰う!」


あ〜あ…やっぱりこんな展開に…。
エドワード君はずかずかと扉まで歩いていって、出ていく時にこう言った。


「今日は宿に帰らないからな!!」


扉が壊れるんじゃないかって位勢い良く開け閉めして、エドワード君は部屋から出ていった。
きっと、大佐の所に行ったんだと思う。


「…兄さんの馬鹿…」
「………」


アルフォンス君は俯いて、なんだかとても悲しそうだ。なんだかんだ言って、たった二人の兄弟だものね。
そんなアルフォンス君に、今までずっと黙って見てたご主人さまが話し掛けた。

「アルフォンス君、今日は家に来ない?一人じゃ寂しいでしょ?」
「え?あ…でも、それは中尉に悪いです…」
「私なら構わないわよ。ブラックハヤテも喜ぶわ」
「ワンワン!」

ご主人さまの言葉に答える様に、僕は元氣に吠えた。
きっとご主人さまは、アルフォンス君の事が心配だから家に呼ぼうとしてるんだ。


「じゃあ…宜しくお願いします」


アルフォンス君はそう言ってぺこりとお辞儀をした。

こうして、今日はアルフォンス君が家に来る事になったんだ。

エドワード君の事は、大佐に任せておけば大丈夫…だと思う。たぶん。

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