長編1
□第三部
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「え…?」
隊長の云ってる意味が、分からなかった。
「…この任務は、終わりだ。
゛強硬派゛の襲撃も落ち着いた。
お前たちの帰還任務は終了した。」
真剣な顔。
「…戻っていいぞ、早紀のところに。」
その言葉で、救われる。
「ただし…、条件がある。」
「条件…?」
「あぁ…。」
珍しく、言葉を濁す隊長。
「…彼女を発見できなければ、戻って来い。
新しい任務を…与える。
彼女を発見でき、尚且つ彼女がまだ、雹礁を扱える状態ならば…俺に連絡しろ。
彼女にとって、大切なことだ。」
そうだ。
彼女が生きている保証はどこにもない。
彼女の身に何があるかわからない。
生きていたとしても、俺を覚えていないかもしれない。
「……仁、お前も行け。
お前は、修一を見守ってやれ。」
「……はい…。」
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