長編1

□第三部
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「…隊長、篠原です。」


心を落ち着かせて、懐かしい部屋まで。


「入れ」


返ってきた声に、そっと襖を開ける。

「…露崎さん…、もう来てたんですか…。」

「もう来てたんですか…。じゃねぇだろ。
頭が呼んだらすぐに来ねぇと何されるか……」

「仁、聞こえてる。
お前は馬鹿正直すぎる。」

呆れた隊長の声。

なんだか、安心する。


「隊長…、話っていうのは…。」

これから、どうなるのか。

どうするのか、どうすべきなのか。


「…あぁ…、それは…」

「時雨〜、あゆむから任務の話があるって…」

隊長の言葉を遮ったのは、露崎隊長。

「あ、仁!修一も!久しぶりだなぁ!」

「お久しぶりです、露崎隊長。」

「親父…!何で此処に…!」

露崎さんと露崎隊長は親子だと、聞いた。
性格とか、外見もよく似てる。

「その呼び方はやめろっていつも云ってるだろ〜?
それに修一、名前で呼べって云ってるだろ?
仁も同じ露崎だから区別がつかん。」

露崎隊長はいつもそう云う。

「……眞充(さねみつ)…、」

怒りに震える隊長が居る。
「眞充!いい加減に人の話を遮るのをやめろ!
人が大事な話をしようとしている時に…、呑気に現れおって!」

「たまたまだろ?俺の用は後でいいからさ。」

「当たり前だ。」

隊長と露崎隊長は、本当に仲がいい。

昔からの知り合いとか云ってる。

「…悪かったな。眞充の馬鹿のせいで。
……本題に入ろう。」

そう云って、隊長は椅子に座り直す。

「…お前たちを、解任する。」

隊長の言葉に、耳を疑った。






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