短編
□雨音と君と
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二年間、想い続けた先輩が卒業する日、私は、初めての『失恋』を知った。
「……大好き…でした…。今まで…、ありがとうございました…っ!」
泣かないと、決めたハズだった。
それでも、先輩の顔を思い出したら、先輩の声を思い出したら、そんな決意はさらっと流されてしまった。
気が付けば、涙が流れていた。
これが、本当に最後なんだって思ったら。
最初で最後の手紙を書いて、これで私の恋は終わった。
ただ、想っていたかった。
ただ、恋していたかった。
そんなのは甘えで、そんなのは逃げで、そんなのは………、ただ、怖かっただけで。
こんな形でしか伝えられなくて。
返事を聞く勇気がないから、ただ、知っていて欲しかっただけ。
卑怯だと思ったけど、私の精一杯だから。
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