長編Book

□あの子と向日葵が並んでいた
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「それでおまえ、デートしたのかよ?」



「デート!?」








メロとそんな話になってしまったのは俺が恋バナをしかけたからだ。

あの日から翌日、俺は一人でこのままこんな気持ちを抱いているのは辛くなり、メロに電話をしたのだ。

メロは今(10時)起きたらしく、不機嫌な声。
でも『相談があるんだ』と珍しく真面目に言ったら真面目に耳を傾けてくれた。
うん、メロって良い奴。

さてさて、俺が『好きな人できた』と初めて言ったものだからメロは『…マジでか?』と半信半疑な返答。
今まで適当に女の子と付き合っていた自分に苦笑い。
『名前は?髪はロング?ショート?』とメロは質問責めするが俺は名前を言うのはなんとなく恥ずかしかったし、メロだったら調べそうだから内緒、と答えて髪は短いよ、と一言添えた。


そして出会った所とかメールのやりとりとか、俺を待っていてくれたこととか色々話しをして冒頭に戻る。




「デート…?な、なんでそんな…」

「おまえを待っていてくれたんだろ?それに今度どこか行こうって言われたんだろ?完璧脈あり。何だ?それとも男を弄ぶようなタイプなのか?」

「絶対純粋だよ!子供が生まれる方法知らなさそうなくらい!」

「…はいはい。で、どっか誘えよ?」


どっかって何処だよ?
俺は立ち上がって締め切っていたカーテンを開けて太陽を見る。

目が痛くなるほど眩しくて、プロミネンスが地球を焼いているように感じた。





「……何処行けばいい?」


普段外なんて出ないし、デートスポットとかこのあたりにあるのは知らない。


「あ…、良い所ある」

「何処!?」

「向日葵園ってとこ。前行った隣町のCDショップの裏。」


俺は聞いた途端にノートパソコンを開いてメロが言う場所を調べた。
そこは千本以上の向日葵が植えられており、喫茶店もあるらしい。
駅から徒歩で10分。
今の時期入場無料…


「いいね此処。」

「だろ?だから名前教えろよ。」

「よぉし、此処けってーい。サンキューメロ!ばいばーい。」







俺はメロの喚き声を無理矢理遮り、電話の電源ボタンを押し、通話を切った。

きっと次連絡したら俺はどうなるか………

想像して恐怖に震える前にライトに連絡して、今から会えるか聞いてみよう。













俺がしたメールにはライトは直ぐに返事をくれて、誘いには乗ってくれた。

喜々として準備をして、暑いにも関わらず軽い足取りで部屋を出たのは言うまでもない。













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