「なあ、帰命侯」 青白い腰を穿ちながら、囁く。 「私と、あの男と、どちらがいい?」 「そ、んな…っ…」 断続的に痺れる快感、恍惚とした頭の中で、答えなど出るはずもないのに。 「知ら、ない…っ…ぁ…そんな……」 「決めろ」 見下ろす顔は笑っているのに、口調は容赦ない。 「それとも、やめるか?」 「おまえ…っ!」 「嫌なら答えよ、さあ…」 熱い粘膜へ何もかもぶちまけてしまいたい衝動をこらえて、命じる。 幾度と無く秘所を擦られ、突き上げられ、すがるように絡む脚も痙攣する、眼下の高貴な虜囚に。 「ッあ…、ぁ、……あ……ぃっ…」 苦痛すら混じった悦楽に柳眉を歪めながら、彼は必死に応えようとする。 美しく歪んだ、その顔が、またいっそうの欲情を煽ってくれるなどと。 限界を感じながら、答えを待つ。 「ぁ……あ…なた……」 「私が……?」 「あなた、が…っあ……ぃ…っ…いい…」 「ほう……誰と…?」 「んっ……ほ、かの…だれと……誰、より…っあ、あなた、が…っ!」 与えられた甘い責め苦に答えたことが、興奮を呼んだのか。 そのまま体を震わせ、彼は達した。 どろどろに蕩けた後庭は、それは熱く、優しく、無遠慮な雄を締め上げてくれる。 「まだ、足りない…」 眼下で放心する孫皓に、幾分か霞みかける視界のまま、言い放ってやった。 そうすると、汗の浮かんだ額、細い眉が切なげにゆがむ。 「もう…いやだ……」 落ちかけようとする意識のせいで、それはそれは舌足らずな言葉遣い。 それが甘えてねだるように聞こえるのだと、勝手に理由をつける。 「だめ、許さない」 もう一度、もう一度と。 細い悲鳴を聞きながら、熱く融けた体に溺れていく。 「愛しているよ、私の元宗…」 きっと、彼は、そんなものは愛ではないと言うだろうけれど。 |