なだらかな背骨の弓隆をなぞり、双丘のくぼみ、最も秘められた箇所をまさぐる。 「っ…ぅ…」 ぞわりと下肢を走る感触に、公孫瓚は思わず身をよじった。 されるがまま体をあずけていた彼の、ほんの少し、ためらうような、僅かな抵抗。 抱かれることに慣れているのだと。 そう思われることが、苦痛なのだ。彼にとって。 そうと解っていても、止められない、止めるつもりもない。 誰に抱かれていようが、そんなものは関係ない。 唯ただ、目の前の男が愛しい。 それだけだ。 「伯珪…」 熱っぽく囁く陳琳の、赤く燃えるような眼差しが請い願っている。 「…ぁ…孔、璋…」 強まる抱擁に、公孫瓚は泣きそうに表情を歪めた。 この男の思いが欲しい。 どこまでも深く捕らえて離さず、壊れるほどに愛して欲しい。 それでも、頑なな矜持が心の片隅にうずくまる。 拒むような仕草を見せてしまったのに、今更どうして、素直に身を任せられるだろうか、と。 逡巡を断ち切るように、濡れた長い指が体を割り開いた。 「あ…っぅ…!」 奥まで潜り込む痛みに、公孫瓚は思わず身をよじる。 だが、今度は、陳琳は待ってくれなかった。 いっそ荒々しいほどの動きで体の中を押し広げられる、息苦しさ。 それでも、触れられてしまえば、あとは際限のない悦楽に滑り落ちるだけ。 沈黙に対する苛立ちなのか、陳琳の指は酷く激しく公孫瓚を犯した。 「…ぁっ…あ、あ、…ああっ!」 ため息のように細い声が、確かな愉悦の喘ぎを漏らす。 小刻みに揺れる銀の髪が、愛撫とは別の、快感にもだえる肢体の動きを伝えてきた。 「愛している」 腕の中で喘ぐ人に囁く。 「愛している、伯珪」 すると、唇が優しくふさがれる 「俺も…いとしい…」 頬を紅く上気させて、公孫瓚が笑っていた。 いっそ淫蕩なほど熱く潤んだ表情は、しかし、どこまでも清らかに美しい。 「伯…珪…」 愛撫にわななく唇を貪り、とろけるような唾液の熱さに喉が鳴る。 震える体を支えんと、縋るようにしがみついてくる、体の、肌の熱さ。 抱いても、いいのだろうか。 「いいぞ」 はっと見つめ直す鮮やかな赤に、淡い色の瞳が優しくうなづいた。 それが、全てだった。 |