捧物

□相互記念。
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その笑顔が目印です。




甥っ子─レオンティウスは、どうにも祖父に似たらしい。…勘違いするな、中身の話ではない。外見の話だ。ちなみに、中身は父親似だ。

「叔父上」

私の父に似ている顔が穏やかに笑む。もうそれだけで別の顔。心拍数が上がるのがわかる。頼むから顔には出ないでくれと祈りながら返事をする。

「…なんだ」
「呼んでみただけです」

そう言ってレオンは私の髪を撫でる。どっくんどっくん心臓が鳴る。レオンが私の背中側にまわったことだけが救いだ。顔が熱い。

「…馬鹿か」
「はい、馬鹿です」
「邪魔だ」
「それは失礼します」
「…退け」
「私は叔父上の言うことは何でも聞きますがそれだけは却下します」

レオンの指が私の髪をすく。いつの間にか、きつく結ってあった三つ編みはほどかれていた。

ああもうお前さえいなければ!
(こんな死にそうに恥ずかしいことなんてないのに!)




END.
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