ネタまとめと拍手小話。
□2009年3月のネタ。
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猫の日。
猫を拾った。赤毛の子猫。なんというか、ものすごくベタだが、二日前の雨の日に拾った。最初はそのまま見てみぬふりでとっとと家に帰るつもりだった。しかし、目があってしまったのだ。五分ほどうんうん悩んだ挙げ句、家に連れ帰った。家に着いて、猫を拾ったと言った。兄上の怒号(「元の場所に捨ててきなさい!」ってやつだ。…兄上は私の母親か)と鉄拳が私を襲った。ものすごく痛かった。私が殴られたところを押さえて踞っていると、兄上に首根っこ持たれてぶら下げられた子猫が、みー、と鳴いた。流石に兄上も心が痛むのか困り顔だ。
「飼いましょう」
だめ押しとばかりに提案してみた。
「……………」
兄上はしぶしぶ頷いた。
そういった経緯を経て、この猫は家の猫になったのである。
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