ネタまとめと拍手小話。
□2009年3月のネタ。
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リップクリーム。
叔父上が上唇を何度も舐める。乾燥してぴりぴりと痛むらしい。ひどく目に毒な光景ではあるが、本人は至って真面目、というより忌々しげな顔である。それもそうか。
「おい」
「なんでしょう」
「リップクリームを持っていない
か」
「持ってますけど、」
「貸せ」
ええと。私の隣には右手を差し出す叔父上。いいんですか、間接キスですよ。間接チッスですよ。貴方は私をどうしたいんですかねえちょっと。
「おい」
「ぁああはい!リップクリームで
すね!」
剣呑な雰囲気を漂わせ始めた叔父上に我に変える。慌てて鞄からリップクリームを取り出して押し付けた。
「…いつもリップクリーム人に借
りるんですか…?」
怖くなって聞いてみた。無言で頷かれ、挙げ句、何が悪いのだ?と首をかしげられた。
その後コンビニへ直行して叔父上にリップクリームを買わせたのは言うまでもない。
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