「お前なんか、嫌いだ」

苦々しげに顔を反らして貴方は言う。
ええ、ええ、分かっておりますとも。なんと言おうと貴方が私を拒絶できないことくらい、分かっております。それから、素直じゃないことも。
逃げるように引かれた貴方の手を捕まえて、指先に口づけた。

「私は、叔父上が好きです」

深くなる眉間のしわ、伏せられたまつげ、滲んだ涙、淡く桃色に染まる頬。
気付いてますか、我が愛しの嘘つきさん。貴方はすぐ顔にでるから、分かるんです。

幸せは指先からやってくる。








一言ありましたら。



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