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□幽遊白書
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蔵馬が去って行き、一人森で考える。
「なんだアイツは」
幽助を“好敵手”以外にどう思うんだ?
やっぱり人間(二人とも人間ではないが)のいう“仲間意識”というものか?
しかし“貰っていい”はよくわからない。
蔵馬は元から食えない男だからアイツの思考を読むには少々(←かなりだって)俺の頭では無理がある(←飛影はバカだから普通に無理だから藁)。
幽助か…
アイツの考え方はまっすぐで嫌いではない。
甘いと思うこともあるが、幽助と長く付き合ったせいか、気に入ってしまった。
まさか俺が人間(今はもう人間ではないが)とつるむとはな。
あの頃の俺には考えられないことだった。
でも今はアイツの側は心地良い。
どんどん強くなり、決して俺を飽きさせない存在だ。
“良き好敵手”。
だからアイツが殺されそうになったあの瞬間は怒りが込み上げた。
しかし不思議な程に頭は冷静で、奇妙な感覚だった。
あとはもう目の前の敵を倒すだけに集中していた。
でも今だから思う。
あの時幽助が本当に死んでいたら、生き返らなければ今俺は…。
幽助に会っていなければ多分俺は“それがそいつの強さの限界だった。
その程度の奴だった”で終わっていただろう。
だが幽助の死はその程度で片付けられるモノではない。
アイツの復活の喜びも比べようがないくらいのモノだった。
なんだ?
この気持ちは?
これが仲間を想う気持ちなのだろうか…
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