長編2(成代)

□成り代わり幸村サイド
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注意:残酷な描写有り。苦手な方はバックプリーズです。しかも、北条のじい様の完全偽造入ります!!
私は北条のじい様は近所のお菓子くれる(今は殆どいないけど)おじいちゃんポジションだと思って ます。アニメ版の薄情なじい様は居ません。捏造が嫌いな方はご注意下さい。




貴方がいれば、怖くない

たとえ、幾千幾万の命を奪おうとも・・・・・・




轟く雄叫び。
地響きのように揺れる大軍の足音。
馬の嘶き・・・・・・。

今、私は戦地にいる。
14で元服をし、一月が経った私の・・・初陣だ。
ゲームの幸村の格好とほぼ同じ赤を基調とした戦装束。
違うのはジャケット(実際そうとしか思えない材質)の下は素肌では無く薄い鉄板を仕込んだ黒い服を着ている。腹出しは佐助と小太郎に全力で止められた。何故だ。
破壊力が半端無いとか言われたが、何の破壊力だ何の。
そして、両手にはそこそこ有名らしい朱槍がそれぞれの手に握られている。
出陣前に真田家当主(一応、父)から貰ったものだ。
傍らに佐助、その反対側に馬をおいた小高い丘の上で、眼前城下の向こうに見える巨大な門を眺める。

『漸く、この時がきたか・・・・・。』

ほんと、長かったよ。
本当なら元服して直ぐの比較的小さい戦に出るはずだったんだけど、害獣(主に真田家)どもが「若様には斯様(かよう)な戦は役不足でしょう。もっと大きな戦場こそ相応しいのでは?なにせ、その御歳で鬼と呼ばれる程ですからなぁっはっはっは!」とかほざきやがって(怒)
普通は慣れるために初陣はある程度勝てそうなのを選ぶもんだろうがよコノ野郎がっ。
あわよくばこの戦で戦死狙ってるのが見え見えなんだよクソッタレ!!(怒怒)

おかげでその戦には参加出来なかった。
武田信玄と上杉謙信の喧嘩紛いの戦なんて、経験値稼ぎにはもってこいだったのに・・・。
あ、ちなみに戦に出る前に武田信玄ことお館様に会ったよ!
ゲームでは暑苦しいイメージしかなかったけど、現実で見るお館様は流石甲斐の虎。
威厳に溢れていて名ばかりの父に対しては嫌々下げている頭もすんなり下がった。
名ばかりの父の後ろから名乗って終わっただけだから言葉も交わしてないけど、凄いね信玄。
殴り愛は勘弁だけど、戦場でお館様叫ぶのなら良いかもとか思っちゃったよ信玄。

 しないけど。←

てか、名ばかりの(いい加減シツコイ)父がちゃんとまともそうに仕えてるの見るのは、なんだか不思議な気分だ。
私に対してはネグレクトしてたくせに、領民や兵に対しては驚く程に誠実で優しく、忍に対しても良心的だ。
だからこそ、その父が疎んだ私は余計に異端の的となったのだろう。
良い迷惑だ。←ぇ

今回のお館様との謁見もかなり渋られた。父はそうでも無かったが、周りが。
お館様と私とを会話させないようにギリギリまで謁見させずに、時間を無くして挨拶と名乗りだけで終わらせるようにした。
本当、無駄に足掻く連中だ。私がお館様に何かするとでも思ったのか、万が一気に入られたら困るからか・・・どっちにしろ馬鹿だ。

私には、本来の幸村のようにお館様を慕う気なんてない。前世では好きキャラだったから敬いはするけどな。
佐助と小太郎、真田十勇士の忍達が居れば私には何も要らない。必要ない。
だからこそ、私が私の可愛い愛おしい子等と居るために、私は戦場(いくさば)に立つのだ。
俸禄を、食い扶持を稼ぐため、首級を上げるか与えられた任務を成功し、褒美を貰わなければならない。
そうでなければ、あの子等を・・・あの愛しい忍を養ってやれない。


 そのためならば、私は止まらない。躊躇しない。

  たとえ、人の命を踏み台にしても・・・―――。


まぁ、そんなこんなで・・・いくら此処が戦国時代でも、そうほいほい戦をやってるわけじゃない。
小競り合い程度のものも無く、経験を積む事無くいきなりのぶっつけ本番で難攻不落の城攻めに出陣となってしまった。

あ、ちなみに何となく察しはついていると思うが、難攻不落の城っていうのは小田原城のことだ。
小太郎の前の主の居たところね。
転生前の世界のバサラでは小太郎は北条氏政?(字を忘れたから適当←ヒドっ)に雇われていたけど、私の居る世界では北条氏政の息子に雇われていたらしい。
私に仕える時にサックリやってしまったらしいが。

私の可愛い小太郎をこき使ってたんだ。
当然の報いだな。(ドーン)

  
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