長編2(成代)

□成り代わり佐助サイド
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弁丸様にお仕えして、早幾年・・・今日程の幸福は無い。

・・・・・・いや、弁丸様と出会えた事自体が最大の幸福だから、二番目かな?
『俺の忍』って言って貰えた時も失神しそうなぐらい嬉しかったけどね。

ん?今日は何の日かって?
決まってるでしょ!弁丸様の元服の日だよ!

あ〜〜っ、もう!!忍じゃなきゃ弁丸様の晴れ姿を正面からマジマジと見れるんだけどなぁ・・・いや、忍じゃなかったら出会えなかったかもだし、正装を着付けしたのは俺様だから一番最初に見てるから良いんだけどさ。

普段あまり飾り気のある着物を着ない弁丸様が真田の六文銭の入った正装を着ると何時のも増して凛々しくて綺麗で格好良くてさ〜・・・悪い虫が発生してるんだよ!(怒)

只でさえ、この数年で弁丸様に惚れて(ホモな意味じゃない)部下になる忍が増えたってのに・・・まぁ、早めに十勇士って言って俺様の部下にして牽制したから、抜け駆けしない分はマシだけどさ。
小太郎も睨み効かせてるしね。殺気混じりに。

本当に、弁丸様は成長なされた。
幼いながらも凛々しかったお顔は更に精悍さが増し、声もまだ高いけど男の色気溢れる声音になってきたし、鍛錬を欠かさないためか体つきはスラっとしていながらも実用的でいて綺麗な筋肉が付いた大人のものへと変わった。

・・・ほんと、格好良いよなぁ。(デレ///)

しかも、頭も麒麟児と言われるぐらいに素晴らしいんだ。
この前なんて、真田の軍師に難解な兵法が書かれた書について議論してたんだよ!?
初陣も未だなのに、軍師の方が舌を巻くぐらいの知識だったらしいし!!

・・・ほんと、格好良すぎだよなぁ。(デレデレ///)

それに、人を惹き付ける魅力も増してるんだよね。
この前なんて、弁丸様を暗殺しに来た(無意識に怒気が溢れ)忍に対して何時ものように部下になるように説得していたんだ。
だけど、そいつ結構頑固で首を縦に振らなかったんだ。
一時的に雇われているだけでも主は裏切れないって言ってね。

そうしたら、弁丸様そいつの事気に入っちゃったらしくてにっこりと極上の笑みを浮かべると懐から出した小刀を一閃し、そいつの首の薄皮一枚を切った(なんて華麗な刀捌き!)んだ。

それで、素早く包帯を巻き付けると『貴殿は今、某の手により死に、某の手により生き返った。“生前”の貴殿は主を裏切る事無く忍の誇りを持って死んだ。ならば、今の貴殿を縛るものは何も無い・・・某の忍になれ。某は、貴殿が欲しい。』

正直、他のヤツがやったら何屁理屈言ってるんだよこの馬鹿ってなるんだけど、弁丸様が言うと様になってるんだよ、コレが。
その忍も極上の笑みを浮かべた弁丸様にクラクラ〜ときたらしくて、恍惚としながら頷いてたよ。
「貴方様のものに・・・」とかなんとか言いながら!(思い出し怒り)

あ〜〜っ、やめやめ!
考えてると腹が立ってくる。
それに、そろそろ弁丸様が帰ってくる頃だしね。

本当なら、元服の儀の後は酒盛りなんだけど、弁丸様はそういうの好きじゃないし、真田の方も去る弁丸様を態々呼び止めないだろうし・・・と、噂をすれば弁丸様の気配だ。

お帰りなさいを言うために俺様は弁丸様の部屋に茶とお団子を用意して待つ。
傍らには小太郎も居る。

襖が開いて弁丸様が入ってきた。
弁丸様は堅苦しいのが嫌いだから、笑って手を振る。

「お帰りなさい。どうだった?」

出会った当時はこんな風に気軽に話しかけられる日が来るなんて思わなかった。
数年かけて、慣れさせられた。
隣りでは小太郎が軽く頭を下げている。


・・・コッチもこうなるまで大分時間かかったよな。


そんな事を考えていたら弁丸様は茶を挟んで向かいの座布団に座り、ニコリと男らしくなった・・・それでいてとても綺麗な笑みで声を紡ぐ。


『佐助、小太郎。今日から某は真田幸村だ。』

「幸村様・・・・・・。」


ポツリと呟けば、弁丸s・・・じゃない、幸村様はいっそう笑みを深めて仰られた。


『これからずっと・・・長く、長く、絶える事無く、某の名を呼んでおくれ。』

「!・・・勿論!!」


あぁ、貴方のためならば、どんな無様な姿でも生き延びてみせよう。
貴方の名を、呼ぶために。


 末永く、宜しくお願いします・・・幸村様。




追記:何故かその後、幸村様に旦那と呼んでくれと言われた。
小太郎と変化を付けたいらしい・・・・・・だ、旦那ってなんだか夫婦っぽいよね?///





久々過ぎて佐助をどういう性格に書いていたか忘れました・・・orz
  
 

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