SHORTbook
□静かに燃ゆる
1ページ/2ページ
「ファイナルターン!」
櫂の声がカードキャピタルに響く。
そのすぐ後に、対戦相手に最後の6ダメージ目が叩き込まれた。
「…俺の勝ちだな。」
櫂は自分のデッキを手早く片付ける。
「行くぞ亜弥」
「あ、うんっ」
亜弥も広げていた自分のデッキを片付ける。
「亜弥ー」
「ん?タイシ、なに?」
「カード一枚忘れてっぞ!」
三和が持っていたのは、亜弥がデッキの軸としているグレード3のカードだった。
亜弥はそれを受け取った。
「ありがとタイシ!」
「…亜弥」
「ごめん今行くねトシキ!」
三和から受け取ったカードをケースにしまうと櫂のほうへ向かった。
櫂はツンと顔をそむけ、亜弥は中のみんなに手を振りながらカードキャピタルを出て行った。
「…櫂、俺が亜弥と話してたらスゲー顔で睨んできやがって…」
後に残された三和はそう言って苦笑した。
.