SHORTbook
□神父の加護
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私は今日も教会に向かう。
といっても、そこまで神様を信仰してるわけじゃないんだけど。
「神父様!」
「おや、亜弥さん」
教会の前にいた男性―ジムゾンが振り返る。
「今日もいいお天気ですね!」
「そうですねぇ」
にこにこと返してくれるジム。
昔から家族で教会に通っていた私は、幼いころから子供心にジムに憧れていた。
成長していくにつれ、そのあこがれは恋に変わったけれど…。
「…神父様ー?どこにいらっしゃるのですかー?」
教会の中から女性の声。
あの声はシスターのフリーデルさん…
「神父様、リデルさんが呼んでますよ」
「そうですね…」
ジムが行っちゃうのは嫌だけど、リデルさんが呼ぶってことは用事があるってこと。
「では亜弥さん。貴女に神のご加護がありますように」
そう言うとジムは私の頭にふわりと手を乗せ、そのままするりと頬を撫でると、教会へ入って行った。
「…っ…!」
ジムの触れた頬が熱い。
神父の加護
「なんですかフリーデル?」
「少し所用で…神父様、また亜弥ちゃんになにかしたんですね…」
「なんのことでしょう?」
(確信犯…)
* * *
変態でもヅラでも狼でも狂人でもジムが好き。
いじられてるけどなんだかんだ言ってどえすだと思うのです
20120621