小説

□失われた約束
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皆さんは約束をしたのに約束した時の記憶がないという経験はありますか?



これは昔の大切な約束を失った二人の物語……






新しい季節は色々と新鮮さがある。
こういった色々と変わる季節の中であんまり変わらないと思う人もいるかもしれない。
俺は少なからずやってきた季節を素直に受け入れる方だ。
今、新しい学校に向かうべく昔から馴染みの並木道を通っている。
ここの並木道は季節毎に違う景色があって中々気に入っている。
今は桜が咲き乱れている。

そう、今日は俺の入学式だ。
俺は篠崎 龍矢(しのざき たつや)、今年高校生になる新入生だ。
だが、青春を楽しんでみたいとか恋愛とか勉強とかも頑張ってみたいとか、とにかくドラマみたいな高校生活を全くしてみたいと思わなかった。

特に興味は無かったが高校ではどんな行事があるのか、修学旅行はどこ行くのか等を考えていたらこれからお世話になる光陽高校に着いた。
靴を履き替え、中に入ってすぐの所に自分のクラスを確認する表のところを見つけ、確認して教室に入り、席に着いた。

全く違う環境につい、
「……やっぱり落ち着けないな」
と口から本音がこぼれた。
それから数分後、担任と思われる教師が入ってきた。
「はい、起立、礼、着席。初めまして、貴方達の担任になりました松澤 なつめです。これからよろしくお願いします。それでこれから入学式が始まるから廊下に並んでください。」

担任に言われるがまま廊下に並び、体育館に入ると式が始まった。






そして長い入学式がやっと終わって教室に戻り、各自の自己紹介が始まった。


自己紹介ね、特に紹介するものなんてないし、どうするかな……等と考えていたら次の奴の紹介が終わってしまった。仕方ない、なんとかするか。
「篠崎 龍矢です。よろしく。」
と15文字以内の紹介を3秒で終わらせた。
その後、自己紹介も終わって担任から連絡を聞き、帰ろうとして校門をくぐろうとすると、会ったことないのに何故か見覚えのある女子が一人でいたのが目に付いた。
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