記念SS

□過ぎゆく年の想い出を
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「今年ももう終わっちゃうね」

終業式を終え、教室へ戻る途中でカナちゃんが言った。

「そうだね…なんだか長かったような、あっという間だったような…」

…中学生になり、陰陽師に出会い、“妖怪の主”を目指す気持ちを固め…そしてなにより、もう一人の“ボク”と“再会”し、お互いを“認め合う”ことができた。
…脳に押し込んだ情報量から言えば、間違いなく“長い一年”だったんだろう。

「終わってみれば、って感じ?」

「…うん。良く言えば…充実してたってことかな。…カナちゃんは?」

「うーん…………妖怪に襲われて、清継君に振り回されて…」

『…“妖怪”と“清継君”は同列なんだ…』

「…じゃあ…あんまり“良い年”じゃなかったの?」

「…微妙、かなぁ。…ほら、“あの方”にもまた会えたし」

「そ、そう…」

…カナちゃんが嬉しそうに話すその話題には…深く触れないことにした。
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