記念品掲示(SPW財団より)

□悪名
2ページ/15ページ

ネアポリス市内。
幹部であるペリーコロのオフィスに総計4人の男達が集っていた。
ブチャラティ、アバッキオ、ミスタ、サファイアである。
ペリーコロはパソコンに映った証明写真を見ながら告げる。
「諸君、悪いニュースと更に悪いニュースが有る。どちらから聞きたいかね?」
するとミスタはうへぇと言った。
「やっぱかよぉ。俺はどっちも聞きたかねぇ。」
「全く同感だぜ。」
アバッキオもそれに続く。
しかしブチャラティは真剣そのものの顔をして言う。
「お前らしゃんとしろ。任務をこなしてこそのギャングだ。ペリーコロさん。」
アバッキオとミスタを叱咤激励し、ペリーコロに向く。
「どちらからでも構いません。話が繋げやすい方から話して下さい。」
「分かった。」
ペリーコロはそう言って一枚の封筒を渡す。
ブチャラティはそれの中身を確認する。
何かの航空写真らしい。
街中のとある建物を写している。
「?何ですかこれは。」
「山出しのギャング達に襲われた支部だ。もう占拠されたらしい。」
「………」
「しかし安心しろ。もう既に暗殺チームが掃討を済ませた。」
「じゃあ何なんだよ?」
そこでミスタが口を挟む。
すっかりそいつらの掃討の手段でも考えていたのだろう。
ペリーコロは続ける。
「せっかちだな。まぁ聞け。今のが悪いニュースだ。」
デスクのパソコンの画面を変える。
「もっと悪いニュースは、情報提供についてだ。」
ペリーコロは溜め息を吐く。
「どうやらパッショーネの情報提供をしている輩がいるらしい。」
ブチャラティは途端に顔を曇らせる。
少し考えれば分かる事だ。
パッショーネは精鋭のギャング集団だ。
支部一つ潰すのにも易々とはいかない。
しかしそれが既知の存在なら別だ。
構成員、人数、武装の是非、さらには習慣など。
それらさえ知れば支部一つ潰すのは容易になる。
「それを探せってか。」
アバッキオは雲を掴むように難関な依頼に舌打ちをした。
確かに『もっと悪いニュース』だ。
しかしそこでサファイアが口を挟む。
「実はですね。秘匿に私が調べ上げた事なんですが…」
自分のデスクトップを広げ、ブチャラティに見せる。
「あれだけ丹念な調べは元構成員にしか出来ないでしょう?」
「………確かに。」
ブチャラティは頷く。
すると画面に二人の証明写真が映った。
「そうなるとこの人物達だけになります。」
「………」
仕事が早く、ソツがない事で有名だが………
あまりに早い仕事振りに舌を巻くブチャラティ。
今回の仕事は早く済みそうだ。
ブチャラティはそう思いつつ指示を出した。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ